板垣李光人×中村倫也が語る！アニメ映画「ペリリュー」で伝える戦争のリアルと役者魂

終戦80年。若手とベテランが“声”で描く戦争の真実

2024年12月5日に公開された劇場版アニメ「ペリリューー楽園のゲルニカー」は、第二次世界大戦末期、太平洋に浮かぶ孤島ペリリュー島で繰り広げられた激しい戦いの真実を、若き兵士たちの視点から描く注目作です。終戦80年という節目の年に公開される本作で、心優しい功績係・田丸の声を務めた板垣李光人さんと、頼れるベテラン兵・吉敷（よしき）の声を演じた中村倫也さんが、作品への熱い想いを語ってくれました。お二人が「声優」という仕事を通して表現する、戦争のリアルと俳優としての誠実な姿勢に迫ります。

戦争は「フィクション」じゃない――二人がオファーから感じた「伝える」使命

近年、世界中で起こる争いや惨事が報じられ、私たちにとって戦争という概念がより身近に、そしてリアルなものに感じられるようになりました。そんな時代背景の中で、本作のオファーを受けた時の心境について、お二人は次のように語っています。
板垣李光人さんは、「これまではどこかフィクションとして捉えていたものが、ノンフィクションとして迫ってくるような感覚で、恐怖を覚えました。そんな中で自分に何ができるかと考えた時、それを誰かに伝えたり、届けたりすることだと思っていたので、このオファーは運命的な巡り合わせだと感じました」と、作品が持つメッセージの重要性を強調しました。
一方、中村倫也さんは、原作が持つ「ただ、ありのままを感じられるように描く」という姿勢に深く共感したといいます。「戦争という題材を極力物語にせず、全ての登場人物がきちんと同じ地平にいる人間なんだと感じられる。かわいらしいタッチのアニメで、この事実を残せることは非常に意義のあることだと思いました」と、本作ならではの表現方法に魅力を感じたことを明かしました。

「中村倫也の存在感がすごい」板垣李光人が感じた“絶対的信頼感”

初日のアフレコで共演した際、板垣李光人さんは中村倫也さんの声に圧倒的な信頼感を覚えたといいます。「俳優としても声優としても経験豊富で、やり方を理解されているので、同じブースで一緒に掛け合いをさせていただいて、大変勉強になりましたし、やっぱりすごいなと思いました」と、中村さんのプロフェッショナルな姿勢に感銘を受けた様子。
さらに、「田丸が吉敷を信頼し頼ったように、実際に自分もそういう気持ちにさせてくれるような、寄りかかっても大丈夫だと感じられる声でした」と、役柄の関係性がそのまま現場での二人の間にあった感情と重なることを明かしました。若手実力派の板垣さんが、ベテランの中村さんから多くを学んだ貴重な共演となりました。