アルコール依存症の息子を殺害した母親の裁判、動機は「孤独死への不安」
今年5月、広島市で起きた衝撃的な殺人事件。アルコール依存症の息子を殺害した罪で起訴された母親の初公判が開かれました。事件の背景には、息子の将来への深い不安と、母親の孤独死への恐れがありました。
事件の概要
広島市中区の清原和子被告(80歳)は、今年5月、55歳の長男の首にロープを巻き、窒息死させた罪に問われています。警察の取り調べで、被告は「息子が記憶障害のような症状があり、完治しないため、息子の将来を考えた結果、殺すしかなかった」と供述していました。
初公判での被告の証言
広島地裁で行われた初公判で、清原被告は起訴内容を認めました。冒頭陳述で検察は、息子のアルコール依存症により働くことができなくなり、被告人が将来を絶望して殺害を決意したと指摘しました。また、被告人が犯行後、自殺を図ろうとしたことも明かされました。
弁護側の主張
一方、弁護側は、清原被告を含む両親が亡くなった後、息子が一人で生きていくために、何度も飲酒をやめるように説得したが、息子のアルコール依存症は改善されなかったと主張。被告人には同情すべき点があると訴えました。被告人質問では、「息子が一人になったとき、孤独死する心配があった」と、切実な思いを語りました。
今後の裁判
9日には証人尋問が行われる予定です。この事件は、アルコール依存症という社会問題と、家族の絆、そして孤独死という現代社会が抱える課題を浮き彫りにしています。今後の裁判で、事件の全容が明らかになることが期待されます。
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