中国軍機によるレーダー照射問題、政府が詳細説明 「問題の本質は30分にわたるレーダー照射」
中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射問題で、中国側が「事前に通告した」とする音声データを公開したことに対し、木原稔官房長官が10日の会見で詳細を説明しました。今回の事態を巡る日本の立場、そして日米同盟の重要性についてまとめました。
中国側の主張と政府の反論
中国国営テレビ系のSNSが公開した音声データについて、木原官房長官は「ひとつひとつコメントは控える」としつつも、12月6日に中国海軍艦艇から海上自衛隊の護衛艦に対し、訓練飛行を開始する旨の連絡があったことを認めました。しかし、その上で「空母遼寧の艦載機がどのような空域で訓練を行うのかという具体的な情報は自衛隊にはもたらされておらず、訓練に関するノータム(航空情報)や航行警報も事前に通報されていなかった」と指摘しました。
木原官房長官は、今回の問題の本質は、「我が国が対領空侵犯措置を適切に行う中で、中国側が約30分にわたる断続的なレーダー照射を行ったこと」だと強調しました。これは「航空機の安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為」であり、中国側には再発防止を厳重に求めていると述べました。
音声データの真偽と今後の対応
中国側が公開した音声データについて、政府は「中国海軍艦艇から海上自衛隊の護衛艦に対し、飛行訓練を開始する旨の連絡があり、その内容を聞き取った旨の応答をしたのは事実」と認めています。しかし、事実に反する主張に対してはしっかりと反論し、引き続き適切に対応していく方針です。
アメリカの反応と日米同盟
今回の事態に対し、アメリカ国務省は「地域の平和と安定に資するものではない」と批判し、「日本との同盟関係はかつてなく強固で緊密に連絡を取っている」と表明しました。木原官房長官は、このアメリカの反応を「強固な日米同盟を示すものであり、歓迎している」と述べました。日本政府は、各国からの理解を得ることを極めて重要だと考え、引き続き自国の立場を説明し、アメリカ等と連携して対応していくとしています。
今回のレーダー照射問題は、航空安全保障という観点からも非常に重要な問題です。日本政府は、今後も冷静かつ毅然とした態度で中国側に対応し、地域の平和と安定に貢献していくことが求められます。
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