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『ばけばけ』なぜ錦織はヘブンを迎えに行かなかった?吉沢亮演じる“不遇なエリート”の諦念と明治の時代背景

投稿日:2025年12月12日

NHK連続テレビ小説『ばけばけ』第11週「ガンバレ、オジョウサマ。」で、ヘブンの過去が明らかになりました。アメリカでの差別的な経験から、誰とも深く関わらないと決意したヘブン。そんな彼を献身的に支えてきた錦織(吉沢亮)は、ヘブンの告白後、初めて彼を迎えに行きませんでした。この行動には、錦織のモデルとなった西田千太郎の人生と、明治時代の混乱が深く関わっているのです。

ヘブンの過去と錦織の衝撃

ヘブンは、白人ではない女性との結婚を理由に、アメリカで職と愛する妻を失いました。その経験から、他人との深い関わりを避けるようになったヘブン。そんな彼に対し、錦織は一貫して献身的な態度で接してきました。しかし、ヘブンから「ただの通りすがりの人間として…誰とも深く関わらない」と言われたことで、錦織は大きなショックを受けます。

これまで毎朝ヘブンを迎えに行き、英語の授業にも付き添っていた錦織が、その行動を止めたことは、ヘブンの言葉が彼に与えた影響の大きさを物語っています。「あなたにとって私は、どういう存在なのでしょうか」と問いかける錦織に対し、ヘブンは「もちろんスバラシイ通訳。スバラシイお世話係」と答えるのみ。この冷たい言葉が、錦織の心を深く傷つけたことは想像に難くありません。

モデル・西田千太郎の「諦め」と明治の時代背景

『ばけばけ』では、主人公のトキのモデルである小泉セツさん、ヘブンのモデルである小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と共に、錦織のモデル・西田千太郎が公式に明記されています。制作統括の橋爪國臣さんは、錦織とヘブンの関係性を「ただの仲良し」にはしたくなかったと語ります。史実に基づき、西田千太郎とラフカディオ・ハーンが無二の親友であったことは知られていますが、その裏には秘めた思いがあったのではないかと推測しています。

西田千太郎は、松江一の秀才でありながら、経済的な理由や不運に見舞われ、思うように学問を追求できませんでした。同時代に東京に進出した後輩たちが成功を収める中、彼は松江で教育者として過ごしました。「西田家の家訓」には「あきらめ、而(しこう)して、活動せよ」という言葉があり、「あきらめよ」という言葉が家訓に存在する点に、制作陣は大きな衝撃を受けました。

橋爪さんは、西田千太郎が「自分が成せなかった何か」をラフカディオ・ハーンに託したのではないかと想像しています。「不遇なエリート」として生きた西田千太郎の人生は、明治時代の混乱を象徴していると言えるでしょう。吉沢亮さんに錦織役を演じてもらう意味は、まさにこの明治の時代背景を担う重要な役どころを表現することにあったのです。

今後の展開に注目

現在は「ヘブンに振り回される不憫な人」と見られている錦織ですが、今後、彼の裏側に隠された思いや葛藤が描かれていく予定です。毎朝ヘブンを迎えに行っていた錦織が迎えに行かなくなったことは、その前触れとなるエピソード。「あなたが通りすがりというなら、私もそうしますよ」という錦織の決意が、今後の物語をどのように動かしていくのか、注目が集まります。

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