Z世代は“定価で買わない”？節約とsplurge（気前よく使うこと）を両立する賢い消費行動の裏側

「Z世代は、とにかくケチ！」そんなイメージを持っている人もいるかもしれません。でも、実はZ世代の消費行動はもっと複雑で、賢いと言えるものなんです。最新の調査結果から、彼らがどのようにモノと向き合い、お金を使っているのかを徹底解剖します。

Z世代の消費は「13%カット」でも、splurge（気前よく使うこと）は「20万円」！

アメリカのPwCの分析によると、Z世代（1990年代後半から2010年代初頭生まれ）は2025年1月から4月にかけて、全体支出を13%削減したそうです。バカンスシーズンの支出計画も前年比で23%減と、節約志向が強いことがわかります。

でも、驚くべきことに、2025年のバカンスシーズン（11〜12月）には平均1,357ドル（約20万円）も使う予定なんだとか。節約するところは徹底的に節約し、本当に欲しいものや体験には惜しまない。メリハリの効いた消費行動が、Z世代の特徴と言えるでしょう。

2030年には1,800兆円の購買力！無視できないZ世代の影響力

Z世代の購買力は、今後ますます大きくなることが予想されています。NielsenIQ、GfK、WorldDataLabによると、2030年までに12兆ドル（約1,800兆円）規模に達する見込みです。これは、単なる若年層のトレンドとして片付けられるレベルではありません。企業は、Z世代の消費動向を真剣に分析し、戦略を立てる必要があります。

デジタルネイティブは実店舗が好き？意外な買い物体験の重視

Z世代は「デジタルネイティブ」と言われ、オンラインでの買い物に慣れているイメージがあります。しかし、PwCの調査では、61%が「新商品の発見には店舗に行くのが好き」と回答しました。実際に手に取って確かめたい、お店の雰囲気を楽しみたいという欲求は、オンラインだけでは満たされないようです。

ブランドへのこだわりは変化中。カスタマイズや中古品も積極的に活用

ブランドに対する姿勢も多様化しています。59%は既知のブランドを好む一方で、41%は安価なプライベートブランドを受け入れ、49%がカスタマイズ商品を求めているという結果が出ています。ブランドロイヤルティは存在するものの、絶対的なものではなく、状況や商品カテゴリーによって使い分ける傾向が強いです。

高級品市場も変化の波。再販市場の活況

ミレニアル世代とZ世代を合わせると、2025年末までに世界の高級品支出の4分の3を占めると予想されています。しかし、アメリカでは高級ファッション支出が2023年に12%減、2024年にはさらに9%減少しています。伝統的な高級ブランドへの支出を抑える一方で、再販市場は活況を呈しており、2028年までに3,500億ドル（約53兆円）規模に成長すると予測されています。中古品やデュープ（模倣品）も、Z世代にとっては当たり前の選択肢となっているようです。

Z世代の消費行動は、従来の価値観にとらわれず、賢く、多様で、合理的です。彼らの消費動向を理解することは、今後のビジネス戦略を考える上で非常に重要になるでしょう。