推し活は心の安定剤?脳内物質の働きから見る「推し」がもたらす幸福感
誰かを応援することの“尊さ”は、年齢を重ねても変わらないもの。最近では、好きなアイドルやキャラクター、スポーツ選手などを応援する「推し活」が、人生を豊かにする活動として注目されています。今回は、推し活がなぜ私たちに心の平穏をもたらすのか、そのメカニズムと効果を深掘りしていきます。
推し活で満たされる「承認欲求」と「敗者いない」安心感
精神科医で作家の熊代亨さんは、推し活がもたらす最大のメリットは「心の平穏」だと指摘します。現代社会では、SNSでの発信を通じて承認欲求を満たそうとする人が増えましたが、他者との比較や攻撃にさらされるリスクも伴います。
しかし、推しに関する発信は、そうしたネガティブな要素が少なく、推しを介してお互いの承認欲求を満たし合うことができます。「推し活には敗者がいない」という感覚が、心の平穏に繋がっているのです。
恋愛と似た脳内メカニズム!ドーパミンとセロトニンの効果
トレンド評論家の牛窪恵さんは、「推し活は恋愛に似ている」と語ります。推しを見たり応援したりすることで、快楽をもたらす脳内物質ドーパミンが分泌され、恋愛と似た感情が生まれます。
「あの人に会いたい」「笑顔が見たい」という気持ちは、私たちをときめかせ、モチベーションを高めてくれます。実際に、推し活を通じて生きがいを見つけ、心身ともに元気を取り戻した人の事例も報告されています。
推し活は「与える」と「与えられる」の融合
京都橘大学准教授の牧和生さんは、『オタクと推しの経済学』で、推し活と恋愛の違いについて解説します。恋愛では、与えたものが必ずしも返ってくるとは限りませんが、推し活では応援やお金を使うこと自体が幸福感に繋がります。
「推しの力になっている」と信じられるからこそ、応援することに喜びを感じ、生活に潤いを与えてくれるのです。
趣味を超えた推し活の効果:人間関係の円滑化と健康寿命の延伸
推し活は、家族や友人との交流を深めたり、推し活を通じて新たな出会いを生み出したりと、人間関係を円滑にする効果も期待できます。外出の機会が増えれば、健康寿命の延伸や認知症の予防にも繋がる可能性があります。
また、推しを育てて支える気持ちは、女性ホルモンの分泌を促すとも言われ、自律神経のバランスを整え、肌ツヤを良くする効果も期待できるそうです。
超高齢化社会において、推し活は健康長寿を促進し、QOL(生活の質)を高めるための有効な手段となり得るでしょう。
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