53年の歴史が途絶える可能性?上野動物園のパンダ、今後の行方は
日本のパンダ飼育が、53年以上の歴史を刻んでから初の空白期間に入る可能性が出てきました。上野動物園で暮らしていたシャオシャオとレイレイが中国へ帰国し、その後のパンダの受け入れが実現しない場合、長きにわたるパンダ飼育の歴史に区切りがつくことになります。
パンダ貸与の現状と国際的な動き
2025年以降、中国からジャイアントパンダの貸与は、オーストリアやマレーシアへと続いていましたが、すでに両国での飼育は終了しています。スペインやフランスでは、パンダの返還後、比較的短期間で新たなパンダが中国から送られてきていますが、日本の状況は依然として不透明です。
フランスでは、マクロン大統領が習近平国家主席との会談で新たなパンダの保護協力で合意し、2027年以降のパンダ受け入れが決定しました。しかし、日本との間にはまだ具体的な合意は得られていません。
上野動物園とパンダの歴史
日本におけるパンダ飼育は、1972年にランランとカンカンが上野動物園にやってきたことに始まります。これは、日中国交正常化を記念したものでした。その後、2011年にはリーリーとシンシンが来日し、多くの人々に愛されました。しかし、2022年にシャオシャオとレイレイが中国へ帰国し、現在は上野動物園にパンダはいません。
日中関係とパンダの受け入れ交渉
リーリーとシンシンの来日時は、日中関係が悪化していた時期と重なり、中国側への費用負担が発生することから、一部から批判の声も上がりました。しかし、東日本大震災後には、パンダの存在が人々に癒しを与え、上野動物園の入園者数も大幅に回復しました。
東京都は、中国野生動物保護協会(CWCA)と長年にわたり信頼関係を築いており、今回の状況についても、関係は悪化していないと説明しています。小池百合子都知事も、野生動物の保全への取り組みを重視し、上野動物園での繁殖研究プロジェクトの継続を希望していることを表明しています。
今後の展望
上野動物園がパンダを再び迎え入れることができるかどうかは、今後の日中関係やCWCAとの交渉にかかっています。53年以上の歴史を持つ日本のパンダ飼育が、途絶えることなく続いていくことを期待したいところです。
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