喜寿アングラーが挑む「伝説の糸」!高津川で幻のイワナ“ゴギ”を釣った奇跡
長年フライフィッシングに親しんできた喜寿(77歳)のアングラーが、知人から託された一本の不思議なリーダーを手に、島根県・高津川の渓流へと向かいました。
その名も「ファールドリーダー」。ナイロン全盛の時代にひっそりと受け継がれてきたという、まさに伝説の糸が、ベテランアングラーに新たな感動をもたらします。
「伝説の糸」ファールドリーダーとは?誕生と進化の物語
今回、知人からひっそりと手渡されたのが「ファールドリーダー」です。
「釣り人の意図を糸が汲み取り、いとも簡単にフライを運ぶ」という、なんとも神秘的な紹介とともに渡されました。
そのルーツは古く、当初は馬毛やシルクを撚(よ)って作られていたといいますから、フライフィッシングの黎明期から存在する歴史ある仕掛けです。
ナイロンリーダーが主流となった現代においても、一部のアングラーによって密かに使い続けられてきたことから、その効果はもはや「信仰に近い」とさえ言えるでしょう。
今回手にしたファールドリーダーは7.5ft(約2.3メートル)。普段使用するナイロンリーダーと同じ感覚で使える長さだとアドバイスを受け、期待に胸を膨らませます。
いざ高津川水系へ!ベテランが挑む「未知の体験」
舞台は、名水の里としても知られる島根県・高津川。
「渓流釣りガイドマップ」を頼りに未踏の河川に挑む予定でしたが、どの道も夏の深い草に覆われ、やむなく慣れ親しんだ高津川水系紙祖川へと変更しました。
フライラインの先にファールドリーダー、そしてティペット、その先にはピーコックパラシュート(14番)というセッティング。
かつてエルクヘアカディスがウグイに集中攻撃された苦い経験から、今回は慎重なフライ選びです。
驚きのキャスティング!ファールドリーダーが「釣りの意図」を汲む
モスグリーンのファールドリーダーを竿先から引き出すと、渓の緑に溶け込む美しい色合いに心が躍ります。
撚り糸で柔らかいため、キャスティングに苦労するのではと思いきや、その心配は杞憂に終わりました。
力が段階的に弱まりながらフライへと伝わり、フンワリと狙ったポイントへ着水するのです。
まるで、長年の経験から培ったアキュラシー(正確さ)がBランクからAランクに急上昇したかのような感覚!
ポリエステル製とのことですが、撚り糸に馴染ませたフロータントのおかげで軽く漂い、ドラグのかかりが遅いのも特筆すべき点です。
これは、まさにベテランアングラーの理想を叶える、驚くべき使用感でした。
感動の実釣!幻のイワナ「ゴギ」との出会い
ファールドリーダーの恩恵を受けながら森に覆われた瀬を慎重に進んでいくと、その瞬間は突然訪れました。
岩に沿って流れる樋状のポイントにフライが落ちた途端、水面が大きく膨らみ、流れるフライと黒い影が一点で交錯!
間髪入れずに竿を跳ね上げると、ググッと確かな手応えが伝わります。
水面から現れたのは、中国山地にのみ生息するイワナの亜種「ゴギ」!
岩から分泌されたかのような独特の色合いを持つ、まさに幻と呼ばれる美しい魚体です。
ファールドリーダーが導いた奇跡に、喜寿アングラーは心から感動しました。
その後は先行の釣り人の後を追う形となり、ヤマメを1匹追加しただけで納竿となりましたが、今回の釣行はファールドリーダーがもたらした新たな発見と喜びで満ちていました。
ひっそりと受け継がれてきた伝説の糸、ファールドリーダー。
食わず嫌いを自認する喜寿アングラーの好奇心を満たし、新たな釣りの境地を開いてくれたこの出会いに感謝しかありません。
「人と変わったことをしたい」という団塊の世代らしい困った根性が、結果として最高の体験をもたらしてくれたようです。
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