安倍元総理銃撃事件、山上被告に無期懲役求刑 検察「短絡的で自己中心的」
2024年7月18日、安倍晋三元総理大臣を銃撃した罪などで起訴された山上徹也被告(45)の裁判で、検察側は無期懲役を求刑しました。事件から約2年、ついに量刑の段階に入りました。
検察側の主張と山上被告の態度
検察官は求刑理由について、山上被告の犯行が「短絡的で自己中心的」であると指摘。山上被告が幼少期から旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)に傾倒した母親との過酷な家庭環境、そして教団への憎しみを募らせていった経緯は認めつつも、その背景が犯行の正当化にはならないと主張しました。
求刑時、山上被告は書面に目を落とし、うつむいたまま。これまでの裁判で、山上被告は事件の目的について「家族が統一教会の被害者であり、教団への報復」と説明していました。また、安倍元総理を狙った理由については「統一教会と政治との関わりの中心にいる方だと思った」と語っています。しかし、犯行については「間違いだった」と謝罪の言葉を述べています。
安倍昭恵さんの陳述書から見えた深い悲しみ
この日の裁判では、安倍晋三元総理の妻である安倍昭恵さんの陳述書が代理人によって読み上げられました。陳述書には、「政治家・安倍晋三である前に、たった1人の大事な家族です。突然夫を亡くした喪失感は消えることはありません」という、深い悲しみが綴られていました。
昭恵さんは、先日、被害者参加制度を利用して法廷に臨んだ際の様子を振り返り、「どんな態度、どんな表情、どんな気持ちで夫の命を奪ったのか、私の目、耳で確認したい」と心情を吐露。山上被告が直接謝罪しなかったことへの失望も表明しました。そして最後に「被告人には自分のしたことを受け止めて、罪を償ってもらいたい」と、厳しさと共に償いを願う言葉を山上被告に向けていました。
今後の裁判の行方
山上被告の弁護側は、母親との関係や教団との関わりが山上被告の精神に与えた影響を訴え、減刑を求める構えです。量刑は、山上被告の生い立ちをどの程度考慮するか、そして社会への影響などを総合的に判断して決定されることになります。今後の裁判の行方に注目が集まります。
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