怪獣に物語のカギ?『ウルトラマンオメガ』武居正能監督が語る制作秘話と新シリーズへの挑戦
テレビ東京60周年を目前に、ウルトラマンシリーズ最新作『ウルトラマンオメガ』が放送・配信中です。今作は「ウルトラマンがなぜ地球を守るのか?」という、シリーズ全体にも通じる根源的な問いをテーマに、主人公ウルトラマンオメガと地球人たちの交流を通して、その答えを探求します。今回は、本作のメイン監督を務める武居正能監督に、企画の裏側から新怪獣、そしてOP・EDへのこだわりまで、たっぷりとインタビューしました。
『デッカー』から一新!ゼロベースで挑むウルトラマン
武居監督は、過去に『ウルトラマンR/B』『ウルトラマンデッカー』でメイン監督を務めていますが、今作はこれまでとは異なるアプローチで制作を進めています。
「カプセル怪獣を出したい」「ウルトラマンに人間の相棒がいる」「防衛隊の話にはしない」という基本的な方向性は決まっていたものの、世界観や設定はほぼゼロからスタートしました。『R/B』や『デッカー』には、それぞれ世界観や前提となる設定が存在しましたが、今回は完全に自由な発想で物語を構築することができました。
監督は、かねてから温めていた「ウルトラマンはどうして地球を守るのか?」というテーマを、今作で形にしたいと考えていました。そのために、主人公をウルトラマン自身にすることで、変身者であるソラトとウルトラマンオメガが同一の存在という設定にしたそうです。
「ウルトラマンが地球を守る理由」を深く掘り下げるというアプローチは、過去の作品にも見られましたが、明確な答えを提示するのではなく、問いを投げかけるような作品は珍しいと言えるでしょう。武居監督は、自身の集大成として、ゼロベースからこのテーマに挑戦したいと考えていたのです。
ソラトと地球人たちの物語、レギュラーキャストを絞った理由
今作のメインキャラクターは、ソラト、コウセイ、アユムの3人。近年の作品と比較すると、レギュラーキャストの人数を絞っている印象を受けます。
「群像劇のように人数を増やすことも可能ですが、個人的にはシリーズを通して過不足なく描けるのは、2人か3人だと考えています。『デッカー』では準レギュラーを含めて6人いましたが、メインで描いているのは3人でした。ウルトラマンがなぜ地球を守るのか、ウルトラマンがどう考えているのかに焦点を当てるには、レギュラーは少なくても良いんです。」
また、今作では「成長」ではなく「変革」を描くことを意識しており、ソラトが周囲の刺激を受けることで、人格が劇的に変化していく様子を描いています。そのため、ソラトと地球人たちの交流を描く上で、ゲストキャラクターの存在が不可欠だったそうです。
個性的なキャラクターたちを演じるキャストへの期待
ソラトを演じる近藤頌利さんについては、「かわいくて、なんか変な人だけど、決めるところはカッコよく決める、愛されるキャラクター」というイメージでキャスティングされたとのこと。近藤さんの持つ多面性を活かすため、普段はぼんやりとしているけれど、戦うときはキリっとするメリハリのある演技を求めたそうです。
ソラトのバディとなるコウセイを演じる吉田晴登さんについては、オーディションで「熱さや無鉄砲さ」を感じて起用したと語ります。コウセイは、メテオカイジュウを操るという、ウルトラマンシリーズならではの役割を担っています。
そして、チームの頭脳担当であるアユムを演じる工藤綾乃さんについては、オーディションでアユムの「謙虚さ」や「しっかりしているようで抜けているところ」が垣間見え、この役ぴったりだと感じたそうです。
武居監督は、それぞれのキャストの個性を最大限に引き出し、魅力的なキャラクターたちを演じてもらうことで、物語をより深く、そして感動的なものにしたいと考えています。
『ウルトラマンオメガ』は、現在放送・配信中です。ぜひ、この作品を通して、ウルトラマンが地球を守る理由について、あなたなりの答えを見つけてみてください。
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