電通社員・高橋まつりさん逝去から10年…母親が涙の訴え「過労死根絶へ、希望を持てる社会を」
大手広告会社・電通で新入社員だった高橋まつりさんが過労自殺してから、25日で10年となります。母親の幸美さん(62)が24日、命日を前に記者会見を開き、過労死根絶に向けた強い思いを訴えました。
「まつりがいない10年目のクリスマス」…母親の悲しみと決意
会見で幸美さんは、涙ながらに「まつりがいない10年目のクリスマスを迎えます」と語り始めました。10秒近くハンカチで目頭を押さえながら、用意した手記を読み進め、「10年という月日は、決して最愛の娘を失った悲しみを癒やすものではない」と心境を明かしました。
静岡県から上京した幸美さんは、東京駅に到着した際、「10年前に戻ってまつりが迎えに来てくれたらどんなにいいだろう」と思い、涙が止まらなかったと語りました。娘を失った深い悲しみが、今もなお心に刻まれていることが伝わってきます。
過労死は依然として後を絶たず…労災認定数も増加
2024年度に過労死や過労自殺(未遂を含む)として労災認定されたのは159人と、2019年度(174人)以来、5年ぶりに150人を超えました。まつりさんの死後も過労死が相次ぐ現状に対し、幸美さんは「本当に悲しい。国は労働者が健康に働ける社会を作る努力を永遠にしていかなければならない」と訴えました。
働き方改革が進められているものの、依然として多くの人が過労で苦しんでいる現実があります。幸美さんは、自身も過労死根絶に向けてさらに力を尽くしていくと決意を新たにしました。
私たちにできること
高橋まつりさんの過労自殺は、私たちに労働環境について深く考えさせられる出来事でした。一人ひとりが仕事と生活のバランスを見直し、無理のない働き方を心がけることが大切です。また、企業は従業員の健康を守るための取り組みを強化し、過労を助長するような職場環境を改善していく必要があります。
幸美さんの訴えは、私たちに希望を持って人生を送れる社会を築くための課題を突きつけています。過労死のない社会を実現するために、私たち一人ひとりができることを考え、行動していくことが求められています。
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