『千と千尋の神隠し』が今も愛される理由 カオナシとの旅立ちが心に響くワケ
宮﨑駿監督の不朽の名作『千と千尋の神隠し』(2001年)が、新春1月2日に日本テレビ系の『金曜ロードショー』で放送され、再び話題を呼んでいます。興行収入で長らく日本映画のトップを走り続けた本作が、25年経っても多くの人々を魅了し続けるのはなぜでしょうか?
ジブリパークの人気スポットが物語る、カオナシへの意外な愛情
愛知県長久手市にオープンした「ジブリパーク」では、『千と千尋の神隠し』の再現ゾーンが最も人気を集めています。特に、電車のシートに座ってカオナシと一緒に記念撮影ができるフォトスポットは、開場と同時に長蛇の列ができるほどの人気ぶりです。
映画の中でカオナシは、湯屋に侵入して暴れ回る悪役として描かれています。湯婆婆よりも嫌われる要素が多いにも関わらず、なぜ多くのファンがカオナシとの記念撮影を望むのでしょうか?
「電車に乗っていくシーンこそが山場」宮﨑駿監督の真意
映画の中で最も感動を呼ぶシーンとして記憶に残っているのは、千尋がおにぎりを食べながら涙を流す場面ですが、フォトスポットに採用されたのは、千尋とカオナシが電車で銭婆のところへと向かうシーンでした。このことについて、宮﨑監督は編集者の渋谷陽一氏とのインタビューで「電車に乗っていくところが山場だ」と語っています。
監督は、「十歳の女の子が自分の意思で電車に乗っていく」というシーンに、千尋が困難を乗り越え成長していく姿を重ねていたのです。それまでの千尋は、親の引っ越しに不満を抱き、未知の世界に迷い込み、親が豚になってしまう恐怖に怯えていました。しかし、ハクの導きや湯屋での仕事を通して少しずつ自信をつけ、ハクを救うために銭婆のところへ向かう決意をします。
共感と感動が重なり合った、忘れられない旅立ちのシーン
千尋の姿に自分自身を重ね、不安や恐怖を感じていた観客も、彼女の決意に勇気づけられたのではないでしょうか。どこまでも続く海の上を電車が進んでいく美しい映像と、銭婆の家で温かく迎え入れられる経験が、感動をさらに深め、深く記憶に刻まれたのです。
だからこそ、カオナシとの旅立ちを最高のシーンと感じ、フォトスポットに長蛇の列ができるのでしょう。『千と千尋の神隠し』は、困難に立ち向かい、成長していく少女の姿を通して、私たちに“生きる力”を与えてくれる、不朽の名作なのです。
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