2026年、還暦を迎える「1966年生まれ」の生き様:サブカルで道を切り開いた世代の光と影
2026年、大槻ケンヂさん、小泉今日子さん、酒井順子さん…個性豊かな人々が還暦を迎えます。彼らは、人口では“少数精鋭”でありながら、独自の道を歩み、時代を彩ってきた注目の世代です。この記事では、彼らの生き様を紐解き、その時代背景と、彼らがどのようにサブカルチャーを生き抜いてきたのかを深掘りします。
1966年生まれの時代背景:丙午の迷信と激動の昭和
1966年は、干支が丙午(ひのえうま)の年でした。しかし、「ひのえうまの年に生まれた女性は気性が荒く、夫を食い殺す」という迷信が広まり、出生数は前年より46万人以上も減少しました。それでも、この世代は強い仲間意識で結ばれています。大槻ケンヂさん、スガシカオさん、小泉今日子さんらは、10年周期で一堂に会するライブイベント「ROOTS66」を開催し、その絆を深めています。(2026年は3月20日、3月22日に開催予定)
彼らが生まれた1966年は、佐藤栄作首相のもと、日本の人口が1億人を突破した年。東京都内で初のコインランドリーが営業を開始し、明星食品がインスタントラーメン「チャルメラ」を発売するなど、生活に変化が訪れた時代でした。また、集英社が「週刊プレイボーイ」を創刊し、『週刊少年マガジン』で漫画「巨人の星」が連載開始、テレビでは「ウルトラマン」が放送開始、そしてビートルズが来日し武道館で公演を行うなど、文化面でも大きな動きがありました。
「机SNS」が生み出したサブカルチャーの隆盛
大槻ケンヂさんの自伝『サブカルで食う就職せず好きなことだけやって生きていく方法』は、この世代の生き方を理解する上で貴重な資料です。幼少期は病弱だった大槻さんは、病院で石ノ森章太郎の『スカルマン』やジョージ秋山の『アシュラ』、『銭ゲバ』といった作品に出会い、サブカルチャーの世界に足を踏み入れました。
1970年代、五島勉の『ノストラダムスの大予言』が刊行され、核戦争や公害、オイルショックといった社会不安が子どもたちにも影響を与えました。そんな時代に育った大槻少年は、江戸川乱歩、ヘミングウェイ、橋本治などの小説や、諸星大二郎、大島弓子、萩尾望都などの漫画を読み漁りました。そして、小学校6年生の時にKISSやエンジェルに出会い、ロックとの出会いを果たします。
インターネットが存在しなかった時代、マイナーな趣味を持つ少年少女は、雑誌の切り抜きをクリアファイルの下敷きに入れたり、机に漫画のキャラクターを描いたりして、自分の好みをアピールしていました。大槻ケンヂさんは、これを「机SNS」と呼んでいます。
バンドブームと就職氷河期:時代を駆け抜けた青春
中学校に入学した1979年、筋肉少女帯のベーシストとなる内田雄一郎さんと出会い、バンドを結成。ヒカシューやプラスチックスといったニュー・ウェイヴの影響を受け、演劇的なギミックや文学・歴史・映画・漫画などを楽曲のモチーフに用いた独自の音楽性を確立しました。
1980年代、レコード屋とライブハウスは、ロック少年にとって出会いと交流の場でした。大槻ケンヂさんは、高円寺のレンタルレコード屋に通い詰め、江戸アケミや遠藤ミチロウに憧れました。一方、オタクジャンルの若者たちは、漫画専門書店、ゲーセン、模型店、同人誌即売会などで交流を深めました。
1988年、筋肉少女帯はアルバム『仏陀L』でメジャーデビュー。陰キャ少年からお茶の間の有名人へと変貌を遂げた大槻ケンヂさんは、過激なファンのバンギャに囲まれてモテまくりました。しかし、バンドブームが終息した1990年代以降は低迷し、精神を病み、1998年に活動休止。一方で、小説家としても活躍し、『新興宗教オモイデ教』『グミ・チョコレート・パイン』などの作品を発表しました。
新たなファン層と多才な活躍:サブカルの先輩として
2006年に筋肉少女帯が復活。2007年にはアニメ『さよなら絶望先生』の主題歌を担当し、ニコニコ動画のサービス開始と時期が重なり、新たなファン層を獲得しました。アニソンイベントにも呼ばれ、フジロック・フェスティバルにも参加し成功を収めました。現在、大槻ケンヂさんは、音楽活動、著述活動に加え、映画出演や声優まで務める、サブカルの先輩として活躍しています。
小泉今日子と酒井順子:それぞれの道を切り開く女性たち
小泉今日子さんは、15歳で『スター誕生』に出演して合格し、アイドルとしてデビュー。『なんてたってアイドル』の大ヒットや、深夜ラジオでの素顔の公開など、新しいアイドル像を確立しました。その後、女優として円熟した演技を見せ、『あまちゃん』での母親役で高い評価を得ました。
酒井順子さんは、雑誌『POPEYE』と『Olive』に投稿したことがきっかけで文筆の道へ進み、エッセイストとして活躍しました。ユーミン(松任谷由実)の後輩でありながら、自身の恋愛経験を通してユーミンの歌に目覚めたというエピソードも語っています。
このように、1966年生まれの世代は、激動の昭和から現代へと、それぞれの道を切り開いてきました。彼らの生き様は、サブカルチャーを愛し、時代を生き抜く私たちにとって、大きなインスピレーションとなるでしょう。
コメント一覧
まだコメントはありません。
← トップに戻る