日本最後の「藁の線香花火」を守る花火師一家の覚悟…輸入99%時代に“400年の技”を繋ぐ
夏の風物詩といえば線香花火。でも、実は冬にしか作れない線香花火があるのを知っていますか?福岡県みやま市にある筒井時正玩具花火製造所は、日本で唯一、藁を使った伝統的な線香花火「スボ手牡丹」を作り続けています。今回は、その400年の技を守り続ける筒井時正玩具花火製造所の筒井良太さん(52)と今日子さん(50)夫妻に話を聞きました。
線香花火の99%は輸入品!?日本の伝統が危機に瀕している
今、私たちが手にする線香花火の99%以上が海外からの輸入品であることはご存知でしょうか。国内で生産されているのはわずか1%。江戸時代から続く線香花火作りの技術が、日本から失われつつあるのです。なぜ、こんな事態になってしまったのでしょうか。
線香花火には2種類あるって知ってた?
線香花火を手にしたとき、持ち手に注目したことはありますか?線香花火には、大きく分けて2つの系統があります。
ひとつは、西日本で広まった「スボ手牡丹」。「わらすぼ」と呼ばれる稲藁の芯の先に火薬をつけたもので、線香花火の原型とも言われています。稲作が盛んだった西日本では、この藁を使った線香花火が発展しました。
もうひとつは、東日本で広まった「長手牡丹」。和紙をよった紙縒り(こより)を軸にしたものです。藁が手に入りにくかった東日本では、手すき和紙が盛んだったことから、紙を使った線香花火が広まりました。
筒井時正玩具花火製造所が作る「冬の、できたて線香花火」は、この西の線香花火、スボ手牡丹。つまり、藁を使った線香花火なのです。そして今、このスボ手牡丹を作っているのは、日本で唯一、筒井時正玩具花火製造所だけなのです。
冬だからこそ、いい線香花火が作れる!
スボ手牡丹の構造はシンプル。稲藁の芯の先に、硝石、硫黄、松煙といった自然由来の原料を配合した火薬を、膠(にかわ)で練り合わせて付けます。できあがったものは半日ほど屋外で干し、まず外側を乾燥させます。
なぜ冬に作る線香花火なのかというと、冬の乾燥した空気が、藁をじっくりと乾燥させるのに最適だからです。藁がしっかりと乾燥することで、火薬との結合が強くなり、安定した燃焼を実現できるのです。
筒井時正玩具花火製造所の線香花火は、その品質の高さから、BEAMSを筆頭にセレクトショップでも「大人の線香花火」「贈り物」として注目を集めています。伝統を守りながら、新しい価値を生み出そうとする筒井夫妻の挑戦は、これからも続いていくでしょう。
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