「線香花火に1万円はありえない」からの逆転劇!花火師の妻が挑んだ、価値を伝える静かな挑戦
「線香花火=10本100円」というイメージを覆す、1万円台の高級線香花火が話題を呼んでいます。消えかけていた国産線香花火の製造を続ける筒井時正玩具花火製造所。その3代目の妻、筒井今日子さんが、花火の価値を再定義し、新たな市場を開拓した静かな逆転劇を追いました。
冬にしか作れない線香花火…“400年の技”を守り続ける花火師一家
福岡県みやま市で創業97年を迎える筒井時正玩具花火製造所。今日子さんは、花火師の妻となる前は、花火が大好きだった普通の女の子でした。夏になると、駄菓子屋で花火を買い、父親と楽しむのが何よりの楽しみだったと言います。
結婚後、夫の良太さんが家業に戻ったものの、国産線香花火は安価な輸入品に押され、売れ行きは低迷。良太さんは「もっといいものを作りたい」と研究に没頭する日々でしたが、なかなか成果が出ませんでした。
「毎日毎日、何しようと?」妻の言葉がきっかけで生まれた変化
2000年のある朝、次男にミルクをあげていた今日子さんは、真っ黒に汚れた夫の良太さんが帰ってくるのを見ました。「毎日毎日、何しようと?」と問いかけた今日子さんの言葉に、良太さんは「いやー、もう、難しい。わからん」と打ち明けました。その手には、線香花火が握りしめられていました。
この時、今日子さんは「この花火は、違う」と感じたと言います。単なる「見た目」ではなく、花火が持つ背景やストーリー、そして贈る相手への想いこそが、花火の価値を高める鍵だと気づいたのです。
「どう届ければ価値が伝わるか」を考え抜いた結果
今日子さんは、デザインを「考え方」として学び直し、花火の作り方や背景ごと、贈り物の価値に変えていきました。そして、線香花火を単なる花火ではなく、特別なギフトとして提案することを思いついたのです。
その結果、1万5000円の高級線香花火が、季節を問わず引き出物や贈り物として選ばれるようになりました。「線香花火に1万円なんてありえない」と猛反発された当初から、今では「贈る価値がある」と認められるまで、今日子さんの情熱と努力が実を結んだのです。
筒井時正玩具花火製造所は、日本最後の“藁の線香花火”を守り伝えながら、新たな価値を創造し、国産花火の未来を切り開いています。
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