パリの憂鬱を吹き飛ばせ!旧車愛好家たちの熱い「パリ横断」冬の部レポート
フランスの自動車文化を牽引するイベント「パリ横断(TraverséedeParis)」冬の部が開催されました。近年、パリ市が車への規制を強化する中、旧車愛好家たちはその情熱を燃やし続け、街を駆け抜けました。今回は、10回以上の出走経験を持つベテランライターが、その熱狂と、現代パリとの緊張感をレポートします。
厳戒態勢の中スタート!パリ市は旧車を監視?
早朝、集合場所のヴァンセンヌ城はまだ暗闇に包まれていました。しかし、城の前にはすでに警察が厳戒態勢を敷き、道路の規制を行っています。一見するとスムーズなスタートを誘導しているように見えますが、長年このイベントを見続けてきたライターの目には、参加者たちを監視しているような異様な緊張感が漂っていました。パリ市は近年、車の乗り入れを制限する政策を強化しており、その影響がイベントにも及んでいるようです。
トリコロールを描く偶然の美しさ
スタート後、前方に目をやると、赤と白のフィアット500、そしてフレンチブルーのゴルディーニR8が軽快に走り抜けていました。交差点で3台が重なり合った瞬間、冬のパリにフランス国旗のトリコロールが鮮やかに描かれました。助手席の娘もその偶然の美しさに息を呑んだといいます。公道イベントならではの、予測不能なドラマが魅力です。
ルールはルール、楽しみは楽しみ!モンマルトルの丘へ
本来、コースにはモンマルトルの丘の頂上が含まれていましたが、今回は外されていました。しかし、一部の参加者は確信犯的にコースを逸脱し、伝統のモンマルトルを回ってきたそうです。「ルールはルール、楽しみは楽しみ」という自由な精神こそが、「パリ横断」の魅力であり、フランス的なエスプリと言えるでしょう。
トロカデロ広場での攻防と、青い閃光
コンコルド広場もルートから外され、隊列は凱旋門を経てトロカデロ広場へと向かいました。エッフェル塔を正面に望む絶景ポイントで、参加者たちは即席の撮影会を始めました。しかし、そこは駐車禁止区域。すぐにパトカーが現れ、退去を命じられました。青い灯火が至福の時間を告げる無慈悲な合図となり、旧車たちは次々とコースへと復帰していきました。現代のパリは、自動車趣味に対してどこまでも非寛容なようです。
締め付けが生む情熱、レトロモビルへ
パリ市の締め付けは、旧車愛好家たちの結束を強めているようにも見えます。トロカデロを後にし、エッフェル塔をかすめ、パリで最も長いボジラール通りを抜けて、再びヴァンセンヌ城へと戻ってきました。ゴール後、参加者たちは近くのビストロでランチを囲み、数日後に迫った世界最大級の旧車見本市「レトロモビル」の話で盛り上がりました。パリ市の規制がいかに厳しくとも、旧車愛好家たちの情熱は衰えることはありません。
写真・文:櫻井朋成
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