ビットコイン、地政学的リスクで輝きを失う?金への資金移動が加速
ビットコインが、地政学的緊張の高まりとアメリカの金融政策の動向に翻弄され、そのヘッジ資産としての地位を揺るがしています。特に、グリーンランドをめぐる緊張以降、4万BTC超が取引所に移動し、短期的な売り圧力が強まっている状況です。
ビットコイン価格の低迷とテック株との連動
2月5日、ビットコイン価格は6万5000ドルを割り込みました。この下落の背景には、AIセクターの業績不振や地政学的リスクの増大などがあります。特に、NVIDIAのAIサプライチェーンに関するネガティブな情報やOpenAIをめぐる論争が市場の不安を煽りました。
注目すべきは、ビットコインと米国のテック株との相関性の高まりです。これは、企業によるビットコイン保有の拡大が背景にあります。しかし、テック株の低迷がビットコインにも波及する形で、ヘッジ資産としてのビットコインの魅力が薄れつつあります。
金の存在感が高まる
一方、金は地政学的リスクの高まりを受け、そのヘッジ資産としての役割を強めています。年初来で約11.4%上昇し、4321.48ドルから約4815ドルへと価格を上げています。米ドル安観測やFRBのタカ派的な姿勢も、金の価格上昇を後押ししています。
歴史的に、ビットコインはシステミックなショック局面でアウトパフォームしてきましたが、現在の市場サイクルでは、2026年の地政学的対立(EU、ベネズエラ、イランなど)と米国の引き締め政策が同時に進行しており、ビットコインのパフォーマンスは金を大きく下回っています。
オンチェーンデータが示す投資家の動き
オンチェーンデータによると、グリーンランドをめぐる緊張が激化した1月下旬以降、取引所に保管されるビットコイン残高が増加しています。これは、投資家が4万BTC超を売却のために取引所に移動させたことを示しており、短期的な売り圧力を高める要因となっています。
CryptoQuantのデータでは、取引所残高が約272万BTCから約276万BTCへと増加。約8万3200ドルで評価すると、この預け入れは短期的な売りサイドの流動性を約33億ドル押し上げます。
暗号資産取引所への圧力
ビットコインの預け入れ増加に加え、暗号資産取引所は運営面での圧力にも直面しています。世界最大の暗号資産取引所Binance(バイナンス)をめぐっては、支払不能や法的脅威を示唆する虚偽の書簡がオンラインで拡散される事態が発生しました。バイナンスはこれを偽造だと否定し、顧客資産の安全性を強調しています。
バイナンスは、市場の安定化のために1億ドル相当のビットコインをステーブルコインに転換する作業を進めており、緊急保険基金「SAFU」の準備金も充実させています。共同創業者のYiHe氏は、急速な出金が発生している状況でもシステムが正常に機能していることを、健全なストレステストだと述べています。
今後のビットコインの動向は、地政学的リスクの推移やFRBの金融政策、そして金との比較において、引き続き注目されるでしょう。
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