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日本の「弱点」は戦略なき外交?中国との「戦火を交えない戦争」を最前線で戦った2人が語る

投稿日:2026年02月06日

「親中」「媚中」「反中」「嫌中」…対中外交の姿勢をめぐる議論は、レッテル貼りが横行し、ヒートアップしがち。でも、この「厄介な隣人」との付き合いには、国家的な戦略が不可欠です。そんな対中外交の最前線に立ってきた2人のキーマンが共著『中国共産党が語れない日中近現代史』(新潮新書)を出版しました。

「中国が最も恐れる男」と外交ブレーンの共著

著者は、「中国が最も恐れる男」と称される元中国大使の垂秀夫氏と、安倍政権で外交ブレーンを担った兼原信克氏。両氏が実務家の視点から日中の歴史を再検討し、「ほんとうの中国」を描き出した同書を、安倍晋三元首相とドナルド・トランプ前大統領の交流録を著した梶原麻衣子氏が解説します。

日本に欠如している「戦略的思考」

聖書にある「汝の敵を愛せよ」という精神は、外交の場面でも重要だと言えるでしょう。本書からは、そんな外交の要諦が伝わってきます。ただし、両氏が中国愛に満ちた親中派というわけではありません。垂秀夫氏は外務省・チャイナスクールの出身であり、中国大使を務めた経験から、中国人以上に中国を深く理解する必要性を説きます。つまり、相手の思考をトレースし、その上で自国の出方を考える必要があるのです。

歴史から読み解く日本外交の弱み

本書の読みどころは、中国共産党が語りたがらない日中近現代史を、日本の影響から読み解き直している点。歴史を語る際にも、二人の脳裏には「自分がその当時、日本の外交担当者だったらどうしたか」が常に浮かんでいるからこそ、単なる歴史読み物とは一味違った「生」の視点が盛り込まれているのです。

垂秀夫氏は、明治末期の日本外交について、「日本外交のあり方が単線的」だったと指摘。正統政府との関係ばかりを重視し、他のプレーヤーとの関係を軽視したことが戦略的思考の欠如につながったと分析しています。そして、戦後日本でも対中戦略が脆弱だったことを指摘し、「日本外交には『戦略的思考の欠如』という構造的な弱点がある」と痛感していると述べています。

高市早苗氏の発言と民主党政権の失策

垂秀夫氏は、高市早苗総理が就任早々に行った台湾有事を念頭に置いた存立危機事態に関する国会発言を「戦略なき発言」と批判。また、2010年の民主党政権時の尖閣問題への対応は、戦略の欠如以前に「政府の体をなしていなかった」と厳しく指摘しています。

兼原信克氏は、当時の中国とのパイプが混乱していた状況を証言。胡錦濤国家主席と野田佳彦首相が直接会談した際、中国側は野田首相が胡主席に頼めば尖閣諸島を諦めると信じ込んでいたものの、実際には野田首相は諦めず、結果的に中国側を怒らせてしまったと語っています。「外交といえるものがなかった」と批判する言葉からは、当時の外交の杜撰さが伝わってきます。

安倍政権の戦略と高市政権の展望

例外的に日本政府に戦略が存在したと言えるのは、安倍政権時代。対中強硬派と見られ親台湾の姿勢も顕著でしたが、対中外交においては第一次政権で採用された「戦略的互恵関係」というフレーズのもとに良好な関係を保っていました。この「戦略的互恵関係」をめぐる外務省の舞台裏の話は、非常に興味深い内容です。

安倍政権当時、中国との対立姿勢を望む声も存在しましたが、二階俊博幹事長や親中派の公明党が連立与党内にいたため、批判の矛先は安倍氏本人には向かず、政権にとってはそれが奏功したと言えるでしょう。

こうした戦略的視点を持つ安倍路線の継承を謳うのが高市早苗政権であり、選挙後に取り組むとされているのがインテリジェンス機関の設置です。インテリジェンス機関は、情報収集や分析だけでなく、政治への提言や相手の選択に影響を与えることも重要な役割を担うと考えられます。

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