目をパチパチする?小学4年生の男の子のチック症、原因と親の対応【小児神経科医が解説】
小学4年生の男の子に、目をパチパチする行動が増えたという相談。親としては心配ですよね。今回は、小児神経科医の湯浅正太先生が、チック症の症状が増えた男の子のケースを元に、その原因と親の対応について解説します。子どもの行動の裏にある心のSOSを見つけ、より良い親子関係を築くためのヒントが満載です。
チック症の症状が増えた小学4年生の男の子のケース
湯浅先生のクリニックには、目をパチパチする行動が増えた小学4年生のゆうまくん(仮名)の母親が相談に訪れました。ゆうまくんは入学当初から少しずつまばたきの回数が増え、小学3年生の夏休みごろには悪化。母親が注意すると、ゆうまくんはあまり気にしていない様子でした。
母親がもう一つ気にしていたのは、学校の先生から「ゆうまくんは少し空気を読めないところがある」と言われたこと。クラスのお友だちと遊ぶのが苦手で、昼休みは教室で過ごすことが多かったそうです。
「空気が読めない」ことによるストレスが原因?
「空気の読みにくさ」がある子どもは、周囲が思っている以上に生きづらさを感じている場合があります。自分の発言で相手を傷つけ、怒られる経験を繰り返すことで、精神的な負担を抱えてしまうのです。ゆうまくんのように、集団行動が求められる学校では、気を張りすぎて疲れてしまうことも。
診察室で湯浅先生と1対1で話す機会に、ゆうまくんは電車や車の話を次々と披露。学校で話したいことがあっても我慢していたことが伺えました。
小児神経科医がアドバイスしたこと
湯浅先生は、まず母親にゆうまくんのまばたきを注意することをやめるようアドバイスしました。チック症は病気というよりも、子どもの心を反映する一種の癖と捉え、どう付き合っていくかを考えることが大切だと提案しました。
また、母親から子どもへの過干渉が見られたため、指摘しようとする気持ちが湧いてきたら、まずは子どもと優しく繋がる行動を試すよう伝えました。例えば、「あなたらしいわね」と声をかけたり、ゆうまくんの目を見ながら腕にそっと手を添えたりするのです。
母親は「変えてみようかな」と涙ながらに言いました。それほど、ゆうまくんのことを心配し、つらさを感じていたのです。
経過と変化
3カ月、6カ月と経過を追う中で、ゆうまくんのまばたきは気にならないほど改善。学校での先生やお友だちとの会話も増えたそうです。
子どもは精神的な負担を抱えると、何らかの困った行動を起こすことがあります。ゆうまくんの場合、まばたきの裏には「空気が読めない」ことによる生きづらさがありました。そして、親の過干渉も影響していたのです。
親の行動を変えることで、子どもの生きづらさがやわらぐこともあります。積極的に関わる「ゆくり」もあれば、見守る「ゆくり」もある。それが子育ての秘訣かもしれません。
1年後、母親は「私自身も、親からこまかく指摘を受けて育ちました。親の行動がこんなに子どもに影響していたんだって、この1年でよくわかりました」と語りました。
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