ラスト五輪、渡部暁斗は戦い抜いた価値を語る「良い終わり方だった」
今季限りでの現役引退を表明している渡部暁斗選手(37=北野建設)の五輪での戦いが、ミラノ・コルティナ冬季五輪のノルディック複合団体スプリントで幕を閉じた。山本涼太選手(28=長野日野自動車)とのペアで臨んだレースは6位に終わり、4大会連続のメダル獲得はならなかった。
五輪ラストレース、複雑な感情を吐露
レース後、渡部選手は率直な気持ちを語りました。「ようやく終わったなっていう感じがする。オリンピックって“最後だなあ”なんて、感傷に浸りながら戦えるような舞台じゃないんで。その瞬間瞬間に、集中して全力で戦っていたんだと思う。だからようやく、ここに来て終わりを感じているという、そんな率直な気持ちです。」
充実感と悔しさ、そして寂しさが入り混じる複雑な感情を抱えながらも、渡部選手は「面白かったですね。スキーもめちゃくちゃ滑ったんで。凄い良いスキーを仕上げてくれるなっていう驚きも含めて、まさか先頭集団まで追いつくと思わなかったし。そこから涼太も良い位置で帰ってくるから、すげえプレッシャー感じながら、でも、楽しく走れました」とレースを振り返りました。
苦しんだ4年間、競技者としての死を迎える
中盤まではメダル獲得の可能性も感じていた渡部選手ですが、山本選手のアクシデントもあり、結果的に6位に終わりました。それでも、「花びら数枚残っていたのが、最後全部散っちゃった感じ。満開にはならなかったけど、最後の一枚が散るところまで皆さんに見てもらえたので。本当に苦しかったけど、戦い抜いた価値はあったかなと思う」と、前向きな言葉を残しました。
22年北京大会後にも引退を考えていたという渡部選手は、この4年間について「一番苦しかったけれど、でも、それがなかったらたぶん良い人生だったなって思えない。そういう時間も含めて、良かった時間があるからこそ、悔いなくこの世を去れるみたいな。競技者としてある意味、死を迎える瞬間だと思う。だから、そうやってこの競技の世界を去っていけるというのは良い終わり方だなと思う。これからの人生は、今度自分の命が尽きるときに、良い人生だったなと思えるような人生にしたい」と、競技者としての決意と未来への希望を語りました。
後輩たちへ、それぞれの道を歩んでほしい
最後に、渡部選手は後輩たちに向けて「思うようにやってほしい。僕のことをまねるとか参考にするとかでもなく。悩んだときは思い出すことがあってもいいと思うけど、それぞれキャラクターがあるし、それぞれの思い描く形で競技人生を歩んでほしいなと思う」とエールを送りました。
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