NHKラジオ第2放送、95年の歴史に幕 ステレオ実験から語学番組まで
3月末で放送を終了するNHKラジオ第2放送。その95年の歴史を振り返り、ステレオ放送の実験や語学番組など、特徴的な取り組みを紹介します。今回の再編はコスト削減が目的ですが、ラジオの聴き方が変化していることも背景にあります。
ラジオ第2放送誕生の背景:苦情対策と経済情報の重要性
ラジオ第2放送は、大正14年のラジオ放送開始から約6年後の昭和6年4月6日にスタートしました。当時、1つの周波数での放送では、野球中継が株式市況で中断されたり、語学番組の時間が野球中継の延長で変わったりと、リスナーからの苦情が相次いでいたのです。NHK放送文化研究所の宇治橋祐之主任研究員は「事前に番組の変更を知る手段が限られていたため、苦情が多かった」と語ります。
また、ラジオ放送開始当初から株式市況は重要な番組でした。当時のNHK東京中央放送局総裁、後藤新平氏は、ラジオの役割として「文化の機会均等」「家庭生活の革新」「教育の社会化」に加え、「経済機能の敏活」も掲げており、株式市況はその目玉の一つでした。しかし、今回の再編で、101年の歴史を持つ株式市況も幕を閉じます。
「立体音楽堂」:世界初のステレオ放送実験
第2放送は当初、東京のみで放送を開始し、その後大阪と名古屋にも拡大。第1放送が全国放送、第2放送が都市放送と呼ばれた時期もありました。戦後、番組選択肢を増やすため、スポーツ中継や音楽番組が充実しました。中でも、29~40年度に放送された「立体音楽堂」は、ラジオ史に残る画期的な番組でした。
「立体音楽堂」は、2台のラジオを使い、第1放送と第2放送を左右に配置することでステレオ放送を実現しました。NHKアーカイブスのサイトでは、当時の説明放送を聞くことができます。
再編後のラジオ:FMへの移行と新たな展開
今回の再編により、第2放送の周波数での放送は終了しますが、語学番組など、第2放送で放送されていた番組の多くは、新しい「NHKAM」「NHKFM」の2波に移行します。ラジオの聴き方が変化していることも、今回の再編の背景にあります。今後、NHKラジオは、AM/FM放送に加え、インターネット配信など、多様な方法でリスナーに情報を提供していくことになります。