廃棄野菜がクレヨンに!?青森のシングルマザーが生み出した奇跡の「おやさいクレヨン」
「こんな文具に出会いたかった!」と話題の「おやさいクレヨン」。廃棄される野菜を再利用し、安心・安全なクレヨンとして生まれ変わらせたのは、青森県でシングルマザーとして奮闘する木村尚子さんでした。その着眼点と、困難を乗り越えて生まれた奇跡の物語をご紹介します。
きっかけは娘への想いと「小1の壁」
木村さんは、もともとデザイナーとして活躍していましたが、33歳の時に娘さんの「小1の壁」に直面。残業が多く、娘さんと過ごす時間が減ってしまうことに悩んだそうです。そこで会社員を辞め、フリーのデザイナーとして働きながら、以前から抱いていた「ものづくり」の夢を形にすることを決意しました。
そして2012年の冬、キッチンに落ちていた野菜の切れ端を見て、ひらめいたのが「おやさいクレヨン」のアイデアでした。「娘が口に入れても安全なもので、環境にも優しいものを作りたい」という母親としての切実な想いが、開発の原動力となりました。
廃棄野菜を色に変える、画期的な技術
「おやさいクレヨン」は、廃棄される野菜をパウダー加工し、米ぬかから抽出したライスワックスや米油で固めて作られています。にんじんやほうれん草など、野菜の名前がそのまま色名になっているのが特徴です。鮮やかな発色と安心・安全な素材から、子どもを持つ親を中心に人気を集めています。
企業からのオファーも殺到!持続可能な社会への貢献
「おやさいクレヨン」は、そのユニークなアイデアとサステナブルな取り組みが評価され、2022年度には文部科学大臣表彰・科学技術賞を受賞。現在では、企業や自治体からのOEM(委託製造)の依頼も増えています。食品ロスの削減と食育を目的としたキャンペーン用や、コーヒーかすを使った「珈琲クレヨン」など、新たな展開も進んでいます。
コネも資金もない中、1軒の工房にかけた電話から始まった木村さんの挑戦は、今もなお続いています。「おやさいクレヨン」は、持続可能な社会の実現に向けて、私たちに新たな可能性を示唆しているのかもしれません。