ニデック創業者の永守重信氏、取締役退任 不適切会計問題で揺れる中、名誉会長に就任
精密小型モーターの世界最大手、ニデックが、創業者の永守重信氏の取締役退任を発表しました。不適切な会計処理の疑惑が浮上し、企業統治(ガバナンス)の問題が深刻化する中、「ニデックを立て直すため」という決断に至ったとみられます。
永守氏の退任と新体制
永守氏は19日付けで代表取締役グローバルグループ代表を辞任し、非常勤の名誉会長に就任します。今後は創業精神の伝承などを通じ、グループ全体の価値向上に貢献していく方針です。取締役会議長の職務は、社長の岸田光哉氏が引き継ぎます。
不適切会計問題の経緯
ニデックは今年6月、海外子会社の関税問題を公表し、有価証券報告書の提出期限を延期しました。その後、中国子会社での購買一時金をめぐる処理をきっかけに、不適切な会計処理の疑惑が浮上しました。監査を担当するPwCジャパンは、2025年3月期の有価証券報告書に対し「意見不表明」を突きつけ、10月には東京証券取引所から特別注意銘柄に指定される事態となりました。
岸田社長のコメントと今後の見通し
11月の会見で岸田社長は「短期的な収益を重視しすぎる企業風土の弊害は明らか」と述べ、改善計画の策定を示唆しました。現在、第三者委員会による調査が進められていますが、結果が出るのは来年になると見られています。
ニデックの概要
ニデックは1973年に永守氏が創業し、精密小型モーターの分野で世界をリードしてきました。2025年3月期の売上高は2兆6078億円に達しています。今回の経営体制の変化が、今後のニデックにどのような影響を与えるのか、注目が集まっています。
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