H3ロケット8号機、打ち上げ失敗 「みちびき」5号機を失う
日本の主力大型ロケット「H3」8号機が、2度の延期を経て12月22日午前10時51分30秒に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられましたが、第2段エンジンの不具合により、搭載していた準天頂衛星「みちびき」5号機の分離・軌道投入ができませんでした。今回の打ち上げは失敗に終わりました。
打ち上げ直後のトラブル
打ち上げ後、ロケットは順調に上昇しましたが、上空で第2段エンジンの燃焼が計画よりも早く終了。予定の軌道に到達することができませんでした。JAXA(宇宙航空研究開発機構)は、燃焼が早期に終了した原因を現在調査しています。
「みちびき」計画への影響
「みちびき」は、カーナビゲーションシステムなどに使われる米国のGPSの日本版として、現在5機が運用されています。今回の「みちびき」5号機は、7機体制を構築し、より高精度な測位サービスを提供するための重要な役割を担っていました。令和7年度中に7機体制を完成させる計画でしたが、今回の失敗により、そのスケジュールに遅れが生じる可能性があります。
直前のトラブルも
今回の打ち上げは、当初7日に予定されていましたが、機体の部品に不具合が見つかり17日に延期。さらに17日も、発射台側の装置に不具合が判明し、再度延期されていました。これらの不具合と今回の打ち上げ失敗との関連性は不明です。
H3ロケットの今後の課題
H3ロケットは、6月に引退した「H2A」の後継機として、民間企業の衛星打ち上げなど、拡大する宇宙輸送需要の獲得を目指して開発されました。打ち上げ費用を抑え、使いやすいロケットとして期待されていましたが、令和5年3月の初号機に続き、今回が2度目の打ち上げ失敗となりました。JAXAは、原因を究明し、早期の改善を図る必要があります。
今回の失敗は、日本の宇宙開発計画に大きな影響を与える可能性があります。今後のH3ロケットの打ち上げスケジュールや、宇宙開発戦略の見直しが注目されます。
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