DVから逃れても…「あなたに事務職は無理です」母親が直面した“壁”と、息子が教えてくれた「本当にしたい仕事」
DV(ドメスティックバイオレンス)から逃れた母親が、新たな生活を築くために職探しを始めたものの、厳しい現実に直面した。そして、息子との出会いを通して見つけた「本当にしたい仕事」とは?
DVからの脱出、そして母子寮での生活
結婚前から逆上しやすく、息子(こぐまと呼ばれる)が生まれてからも怒りの爆発を繰り返していた夫。ある日、ついに夫の暴力がこぐまに向かってしまったことをきっかけに、筆者は「もうここにはいられない」と決意し、子ども家庭センターと連携して家を脱出した。
到着したのは、要塞のような母子寮。そこで、筆者とこぐまは新たな生活を始めることになった。
ハローワークで直面した“壁”
母子寮へ到着して数週間後、こぐまが保育園に通い始めたのと同じ頃、筆者はハローワークで職探しを始めた。希望していた事務職の求人は、あっさりと却下されてしまう。
アルバイト経験のある工場系の求人を探そうとした時、受付担当者から「あなたが本当にしたい仕事は何ですか」と問われる。「本当にしたい仕事」という問いに、筆者は戸惑いを隠せない。
こぐまとの出会いが開いた新たな視点
筆者は、これまで自分の「したい仕事」を明確に考えたことがなかった。低学歴であることもあり、社会にどんな仕事があるのかもよく分からず、成り行きで仕事を選んできた。しかし、こぐまが生まれてから、社会や世界に対する関心が高まり、「誰かの役に立ちたい」という気持ちが芽生え始めた。
妊娠中に世界の子供たちの置かれている状況を知り、図書館で調べまくった結果、経済格差や紛争といった問題の深刻さに衝撃を受ける。そして、広告が戦争を扇動したという史実を知り、広告の持つ力と可能性に気づいた。
広告の力で社会を変えたい
「広告が戦争を煽動したのなら、その逆もできるかもしれない」。筆者は、広告の力を借りて、社会に貢献したいという思いを強くする。それは、こぐまとの出会いを通して得られた、「本当にしたい仕事」だった。
DVから逃れてきた母親の「職探し」は、「生きるため」という切実な願いと、「社会貢献」という新たな目標が交差する、困難な道のり。しかし、こぐまとの出会いが、筆者に「本当にしたい仕事」を見つけるきっかけを与えた。
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