米GDP、第3四半期は4.3%増!過去2年で最高成長を記録
アメリカ経済が力強い成長を見せています。米商務省が発表した第3四半期の国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比4.3%増と、エコノミスト予想の3.3%を大きく上回りました。これは2022年以降で最も速いペースでの成長です。
成長の背景:個人消費と輸出の増加
今回の成長をけん引したのは、旺盛な個人消費です。レジャー用品や車、海外旅行に加え、食料品や医療サービスなど幅広い分野で消費が拡大しました。また、輸出の増加による貿易赤字の縮小、政府支出、そして設備投資も成長に貢献しています。特に、人工知能(AI)関連投資の底堅さが目立っています。
インフレと政府閉鎖の影響は?
しかし、好調な経済成長の陰で、生活費の上昇や、この秋に一部で起きた政府機関の閉鎖などが、今後の勢いを鈍化させる可能性も指摘されています。議会予算局(CBO)は、43日間に及んだ政府閉鎖が第4四半期のGDPを1~2ポイント押し下げる可能性があると試算しています。
FRBの利下げは遠のく?
今回のGDP成長を受けて、市場では米連邦準備理事会(FRB)による早期の利下げ期待が後退しています。BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サル・グアティエリ氏は、「1月28日のFRBでの利下げの可能性は大幅に低下し、今後の動きについても若干の疑問が生じるだろう」と分析しています。雇用とインフレの両方が軟化しない限り、2026年まで利下げは難しいかもしれないと見ています。
個人消費の「K字型」化
エコノミストは、今回の個人消費の増加が、株価上昇に支えられた高所得層による消費が中心となっている一方で、高インフレの影響で中・低所得層は支出を控えている「K字型経済」が広がっていると指摘しています。
ホワイトハウスの反応
米ホワイトハウス国家経済会議(NEC)のハセット委員長は、今回のGDP成長を「トランプ大統領の貿易政策とAIへの投資の成果」と評価し、「米国民にとって最高のクリスマスプレゼントだ」と喜びを語りました。また、GDP成長率が4%の範囲を維持できれば、雇用者数の増加も加速すると予測しています。
コメント一覧
まだコメントはありません。
← トップに戻る