高市首相と参政党・神谷代表の応酬に浮かび上がる「ジェンダー」の重み 性教育バッシングから20年
参議院予算委員会での高市早苗首相と参政党・神谷宗幣代表のやり取りが、現代における「ジェンダー」という言葉の意味を改めて問い直すきっかけとなりました。東京都議会での「東京都女性活躍推進条例案」可決を前に、性別による固定観念の解消の必要性が議論される中、両者の発言は大きな注目を集めています。
「男らしさ」「女らしさ」を巡る価値観の対立
神谷代表は「男らしく女らしくという価値観を持っている」と自身の考えを表明し、行政が個人の内心に踏み込むことへの懸念を示しました。一方、高市首相は「女の子なんだからこうしなさいよと言われながら育ってきた世代」と自身の経験を語りつつも、具体的な見解は避けました。この発言に対し、高市首相がこれまで性教育やジェンダーに関する発言を控えてきたことが指摘されています。
20年前のジェンダーバッシングと「ジェンダー」という言葉の変遷
神谷代表が「ジェンダーフリー、性差をなくそうというのは(参政党は)正面から反対しております」と発言したことは、20年前のジェンダーバッシングを想起させます。2005年、安倍晋三元首相は「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」の座長を務め、性教育批判を展開しました。当時、「ジェンダー」という言葉は過激な思想と結び付けられることも多く、ネガティブなイメージを持たれていました。
現代における「ジェンダー」の意義
今回のやり取りは、「ジェンダー」という言葉が持つ時代性を改めて考えさせられます。東京都女性活躍推進条例案に盛り込まれた「性別による無意識の思い込みの解消」は、現代社会における多様性を尊重し、女性の活躍を促進するための重要な取り組みと言えるでしょう。しかし、依然として性別による固定観念は根強く残っており、ジェンダーに関する議論は、社会全体で進めていくべき課題です。
高市首相と神谷代表の応酬は、ジェンダーという言葉が持つ歴史的背景と、現代社会における意義を浮き彫りにしました。この問題を深く理解し、多様性を尊重する社会の実現に向けて、私たち一人ひとりが考え、行動していくことが求められています。
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