12月28日、中山競馬場で第70回有馬記念（GⅠ・芝2500m）が開催されます。近年、有馬記念の舞台となる中山競馬場の馬場状態が変化し、パワータイプだけでなく、スピードとパワーを兼ね備えた米国型の血統を持つ馬が台頭している傾向にあります。そこで今回は、今年の注目馬としてエルトンバローズにスポットライトを当て、その血統の魅力を深掘りします。

変わりゆく中山競馬場の馬場と求められる血統

かつては荒れた馬場が特徴だった中山競馬場ですが、1992年からオーバーシードと呼ばれる芝の育成方法を取り入れ、馬場状態は大きく変化しました。さらに、エアレーションなどの造園技術の発達により、開催が進んでも馬場の傷みが軽減されるようになりました。これにより、従来のパワータイプだけでなく、スピードとパワーをバランス良く備えた馬が好走するケースが増えています。

エルトンバローズの血統：潜在的なスタミナと米国血統の融合

エルトンバローズは、人気種牡馬ディープブリランテの産駒です。ディープブリランテは、日経新春杯を制したモズベッロや、地方交流重賞を席巻したラプタスなど、様々なタイプの名馬を輩出しています。エルトンバローズは、中山金杯を勝利したセダブリランテスと同じく、母の父がブライアンズタイムという共通点を持っています。そして、母系を米血で固めている点が、モズベッロと同様に注目ポイントです。

祖母に秘められたスタミナ：一発逆転の可能性

祖母のニュースヴァリューは短距離馬でしたが、一族にはオークス馬ベガや、日本ダービー馬アドマイヤベガなど、潜在的なスタミナを持つ馬が多数存在します。芝2500mは未知の領域ではありますが、この潜在能力が爆発すれば、一発逆転の可能性も十分にあります。エルトンバローズのスピードとパワー、そして秘めたスタミナに期待しましょう。