平成プリ機の“復活”で再燃!30年のプリクラ文化の変遷と未来を徹底解剖
30周年を迎えたプリントシール機(プリ機)大手メーカー、フリューが、愛され続ける日本のプリ文化の魅力を伝える30周年企画をリリース。その一環として、伝説の懐かしプリ機が“復活”し、話題を呼んでいます。平成から令和にかけてプリ機で撮影した全ての人に「プリの楽しさ」を再発見してもらう企画の発信です。
平成レトロブームを牽引するプリ機の歴史
2025年は、平成レトロブームの真っ只中。フリューの広報社員・門脇彩氏に、プリのこれまでと現在、そして今後の展望について伺いました。フリューは、スマートフォンで平成プリの撮影体験ができる「めっちゃ★平成プリ」や、ギャルのプリ帳風「盛り×2プリ年表」など、歴史と懐かしさとともに新しさを感じさせる特設サイトを続々オープンしています。
なぜ「20年前のプリ機」を現行機で再現?
今回の30周年プロジェクトで特に力を入れたのが、平成〜令和にかけてプリを体験した人の記憶に深く刻まれている伝説級のプリ機の写り、落書きコンテンツを“復活”させる企画です。復活したのは、2006年リリースの『姫と小悪魔』、2011年リリースの『LADYBYTOKYO』、2019年リリースの『Melulu』の3機種。
「過去のプリを復活させることはこれまでも考えていましたが、今回初めて、現状あるプリ機で過去のプリの写り・機能を再現できました。写りやプリでの盛り加工・スタンプ・ペンなどの落書き、などを再現するために、一度当時の筐体を組み立て直して、再解析を行いました。調整の末に、今回は現在、全国に展開中の『Bloomit』という機種の中で、3機種全ての写り・落書き・画面などを再現することができました」(門脇氏)
プリ機の進化:デコる時代からシンプルへ
『姫と小悪魔』がリリースされた2006年は、倖田來未さんなどギャルのアイコンともいえる著名人に憧れる女性が多かった時代。「盛れる」という言葉が生まれた頃で、撮影した画像に自動でつくオーラや、ペン一つで肌の部分を自動でよけてかわいい柄をつけられる「ヴェール」など、プリを“デコる”感覚で落書きし尽くすのが主流でした。
一方、令和の今のプリは、ティーンのトレンドや韓国ブームの影響もあり、落書きは控えめな「シンプル感」が主流。30年間のプリブームの変遷は企画サイトにもまとめられています。
プリの遊び方の変化
「2000年代中盤までのプリには“遊び要素”が求められていました。撮影背景やポーズ見本も遊びのいち要素となっていて、象の上に乗る背景があったり、変顔ポーズを指定されたり……プリ機の中で爆笑した思い出がある人も多いのではないでしょうか。『LADYBYTOKYO』(2011年)以降、プリはティーントレンドの影響もありナチュラルな写りへとシフトしていきます。『Melulu』(2019年)の時代には、好みやなりたいイメージの多様化によりやりすぎ感のない自然な盛れ感が楽しめる機種が登場したり、細部にまでこだわれるメイク・レタッチ機能がプリにも求められるようになり、現在に至ります。目的としても、顔を盛りたいときに撮るというイメージが強く、友達と何かをした、どこかに行った記念としてプリを撮影するのが多いですね」(門脇氏)
グローバル展開も視野に
フリューは、日本国内だけでなく海外展開にも積極的にチャレンジしています。「フリューは、プリ文化のグローバル展開を目指して他国へのプリ機輸出のテストマーケティング中です。現在は、中国・上海の映画館やタイのショッピングセンターにローカライズしたプリ機を設置しています。弊社のプリ機がある韓国の店舗では、『NANISTICKER』のように無加工風に写る機種も人気ですし、日本のような盛れ感のあるものも一定の需要があります。近年は逆輸入的に、韓国プリのような盛れ感を楽しめる機種が日本にも出てきました」
プリの未来:共同体験×新しい技術
令和の現在のプリは、顔をキメて「ニコパチ」な撮影をし、落書きなしでプリントしたシールを透明なスマートフォンケースなどに挟み込むなどの遊び方が主流。これは韓国発の文化です。
「女の子のトレンドはその時代を生きる子たちが作っていくもの。プリはトレンドと共に歩んできたがゆえに、ここ数年は今のプリ=顔を盛るものというイメージを持っている大人世代の方たちが多いことも事実です。あの頃のようにプリが女の子の日常の中で“身近な存在”になったらいいのに、とも思います。だからこそ今回の30周年期間は、プリで顔を盛ることがメインになっていて“遊ぶ”感覚が少ない今の世代にも、かつてプリで遊んでいた大人世代にも楽しんでほしいんです」(門脇氏)
フリューは、プリ機の技術進化に加え、体験型コンテンツや共同体験の価値に注目。2024年リリースの『EVERFILM』は、プロジェクターを使ったリアル背景投影・演出が支持されています。プリ文化は時代ごとに変化しながらも、自己肯定感、自己表現欲求、誰かと繋がりたい欲求を満たす普遍的な存在として、今後も愛され続けるでしょう。
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