12月30日は「地下鉄記念日」。今日は、1927年（昭和2年）に東京・上野〜浅草間に日本初の地下鉄が開業した日です。その歴史と、現代の東京の地下に隠された驚きの構造を紐解いていきましょう。

日本初の地下鉄はどんなものだった？

最初の地下鉄は、わずか2.2キロメートルの距離を4分50秒で結び、運賃はなんと10銭（現代価値で約2000円）！それでも開業日には10万人近くが乗車したというから驚きです。

この地下鉄の実現に尽力したのは、早川徳次という実業家。1914年（大正3年）にヨーロッパを訪問した際、ロンドンの発達した地下鉄に感銘を受け、「東京にも地下鉄を！」という構想を実現しました。

画期的な技術とデザイン

当時主流だった蒸気機関車ではなく、地下鉄用電動車両「モハ1000形1001号」が開発されました。また、自動改札機や間接照明など、当時としては最先端の設備が導入され、多くの人々を魅了しました。

この路線は現在、東京メトロ銀座線として浅草〜渋谷間を結び、1日平均21万7244人（2023年）が利用しています。

東京の地下鉄網の進化

銀座線の開業後、丸ノ内線（1954年）、日比谷線（1961年）、東西線（1964年）と路線が次々と開通。現在では、東京都内に13路線の地下鉄が走っています。大阪では、1933年に御堂筋線が日本初の公営地下鉄として開業しました。

「地下鉄漫才」から見えた地下鉄の存在感

1970年代には、漫才師の春日三球・照代による「地下鉄漫才」が大人気となり、「地下鉄の電車はどこから入れたの？」というフレーズが社会現象になりました。当時から、地下鉄は人々の生活に深く根ざした存在だったんですね。

眠れないほど深い東京の地下構造

現在、東京都内を走る地下鉄路線図を見ると、線路が複雑に絡み合っているのがわかります。最も深いホームは都営地下鉄大江戸線の六本木駅で、地下42.3メートル！トンネルの直径も通常5〜7メートルから8〜10メートルと、その規模は想像以上です。

トンネル同士の間隔がわずか数メートルという場所もあるため、「東京の地下は穴だらけで大丈夫なのか？」と不安になるのも無理はありませんね。

東京の地下には、まだまだ知られていない秘密がたくさん隠されているのかもしれません。日々の通勤・通学で利用する地下鉄ですが、その歴史や構造を知ることで、より深く東京の街を理解できるのではないでしょうか。