横浜市営地下鉄、ホームの時刻表を撤去!スマホ世代には便利?でも…高齢者からは不満の声も
横浜市営地下鉄のホームから、従来の紙の時刻表が姿を消しました。市交通局は省力化とコスト削減を目的としていますが、この変更に利用者からは「高齢者への配慮が足りない」といった不満の声も上がっています。一体何が起きているのでしょうか?
なぜ時刻表は消えた?
横浜市営地下鉄(ブルーライン、グリーンライン)では、2023年11月1日のダイヤ改正を機に、全てのホームから一覧式の時刻表が撤去されました。市交通局によると、主な理由は以下の3点です。
- 日焼け対策のための特殊な紙代
- ダイヤ改正ごとの校正作業
- 駅への運搬・張り替えの手間
これらのコストを削減するため、代わりにスマートフォンで時刻を確認できる2次元コード(QRコード)が掲出されるようになりました。市交通局は、印刷費だけで約70万円の削減効果を見込んでいます。
電光掲示板とスマホが主な情報源に
現在、全駅のホームには次発の電光掲示板が設置されており、運行情報や列車の走行位置、到着予定時刻はスマートフォンで確認できます。市交通局は、これらの情報提供手段が十分だと考えています。
利用者からは賛否両論
利用者からの意見は分かれています。通院で利用する75歳の主婦は「時刻表は元々見なかった」と冷静に受け止めていますが、仕事で利用する45歳の会社員は「帰りの時刻を確認するのに便利だったのに…」と不満を述べています。
SNS上では、特に高齢者やスマートフォンに不慣れな人からの「配慮が足りない」という声が多く上がっています。12月16日時点での意見は、反対31件、賛成1件、その他2件となっています。
他の鉄道会社はどうしている?
コスト削減を目的とした時刻表の撤去は全国的な傾向で、JR西日本やJR東日本も同様の取り組みを進めています。しかし、私鉄では対応が分かれています。
相模鉄道、東急電鉄、京浜急行電鉄、京王電鉄などは全駅で時刻表の掲出を継続し、横浜高速鉄道は2024年までにみなとみらい線全駅で撤去する予定です。小田急電鉄は駅ごとに判断し、掲出箇所を減らした駅もあるとのことです。
専門家は「時刻表は必要」と指摘
国土交通省令では、改札口付近に発車時刻を掲示することが義務付けられていますが、掲出場所は限定されていません。しかし、鉄道サービスに詳しい専門家は、「電光掲示板は必要な情報がいつ出るか分からない場合がある」と指摘し、特に直通運転を行う路線では「行き先が多様化しているため、一覧の時刻表は必要」だと述べています。
今回の変更は、デジタル化が進む鉄道業界において、利便性と情報アクセスのバランスが問われる事例と言えるでしょう。
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