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アニメ界のレジェンドが語る!東映アニメーション70年の軌跡と「マジンガーZ」が変えた常識【アニメスタジオクロニクル】

投稿日:2025年11月27日

東映アニメーションの「生き証人」が語る!アニメ業界の歴史と伝説の裏側

アニメ好きなら知らない人はいない、あの「ドラゴンボール」や「ONEPIECE」、「プリキュア」などを生み出してきた東映アニメーション
実は日本に現存するアニメ製作会社の中で、最も古い歴史を持つんです。

今回は、そんな東映アニメーションの代表取締役会長である森下孝三(もりしたこうぞう)氏に、会社の歴史や日本の商業アニメのターニングポイントについて、深掘りしたお話を聞いてきました!
1970年に入社し、今や東映グループ全体で「最古参」という森下会長の言葉からは、日本アニメの黎明期から現代に至るまでの熱い物語が感じられます。

戦後すぐの日本で「東洋のディズニー」を目指した創業秘話

「太平洋戦争が終わってからわずか10年ほどで、もう商業アニメを作ろうという動きがあったのは本当に驚きですよ」と語る森下会長。
東映アニメーションのルーツは、1955年頃に東映の故・大川博(おおかわひろし)社長が小規模なアニメ会社「日動映画」を買収したことに始まります。
当時の日本は焼け野原だったにも関わらず、大川社長は「東洋のディズニーを目指すんだ」と宣言し、高額なアニメ制作機材をアメリカから輸入したそう。
「アニメで世界に出て、外貨を稼ぐ」という壮大な夢が、今の東映アニメーションの礎を築いたんですね!

その後、社名は「東映動画」となり、「白蛇伝」といった日本初の長編カラーアニメ映画を生み出します。
現在の「東映アニメーション」という社名になったのは1998年。
森下会長は「海外では『動画』という言葉が通じなかったから、世界に展開するためには『アニメーション』の方が分かりやすい、と変更したんです」と語っています。

カラーテレビ普及で激変!森下会長が見た「TVアニメ黎明期」

森下会長が東映動画に入社したのは1970年。
まさにTVアニメの黎明期だったと言います。
「1964年の東京オリンピックの前後でカラーテレビが爆発的に普及したでしょ?
それでテレビ局も増えて、郵政省(現在の総務省)から『教育番組を一定割合で流すように』という指示が出たんです。
その時間にアニメを流そうという機運が生まれたのが大きかった」

それまでは海外のアニメが中心でしたが、「お金をかけて海外から仕入れるより、自分たちで作った方がいい」という考えが広まり、国産アニメが急増していったそうです。
当時はアニメーターが全然足りないほどだったとか。
東映アニメーションは、もともと映画会社のグループだったこともあり、今でも映画と同じような規模で、制作の全工程を社内で完結できる数少ない会社なんだそうですよ。

「マジンガーZ」がアニメ業界の常識を覆した日!伝説の版権ビジネス誕生秘話

「会社のターニングポイントになった作品は?」という質問に、森下会長は迷わず「マジンガーZ」と即答しました。
「マジンガーZ」は1972年に放送が始まり、ロボットアニメの金字塔として今も語り継がれる名作ですが、その理由は作品の内容だけではなかったのです。

「マジンガーZという作品、というより、この番組でバンダイさんと組んだことが大きかった」
それまでのアニメビジネスは、お菓子メーカーなどに一律で版権を売る「買い切り」が主流で、なかなか収益に繋がらず赤字続きだったそう。
しかし「マジンガーZ」では、バンダイとの間でグッズが1個売れたらいくら、という「ロット型」のロイヤリティ契約を導入。
これが会社の経営を劇的に安定させ、その後のアニメ業界における「版権ビジネス」のモデルを確立しました。

さらに画期的だったのが、放送と同時に店頭にグッズが並ぶスピード感
「アニメが当たるかどうかわからないのに、先に商品を作るのはリスクがある」というのが当時の常識でしたが、永井豪先生、東映アニメーション、バンダイの三者がリスクを背負い、このシステムを築き上げたのです。
今では当たり前のこの光景も、実は「マジンガーZ」から始まったんですね!

『ドラゴンボール』も支える!東映アニメーション「最強のライブラリー戦略」

東映アニメーションの最大の強みは、膨大な「ライブラリー」と、その著作権をほぼ100%保有していることだと森下会長は強調します。
これにより、グッズなどのライセンスビジネスや海外展開を自社で完結させ、ビジネスとして成功させているのです。
例えば、7年間で350本も制作した「一休さん」は、当時製作費が安く赤字だったにも関わらず、最近中国などで大人気となり、製作費をほぼ回収できたそう。
「作った時点でビジネス的に失敗しても、ライブラリーという資産を増やすことにつながっていればいい」という考え方は、まさに長期的な視点での戦略ですね。

また、東映アニメーションは年間約50話の作品を5ラインで制作しており、年間約250話分ものアニメを生み出しています。
これだけの規模でライブラリーを蓄積できているのは、国内でも数社しかないと森下会長。
この盤石な屋台骨があるからこそ、社員が「新しい作品にチャレンジしたい」と思ったときに、別のチャンスを与えられるのだと言います。
社員のモチベーションに繋がり、それがまた新しい作品を生み出すという、素晴らしい循環が生まれているんですね。

「スラムダンク」成功の裏にも挑戦!未来へ向かう東映アニメのDNA

「失敗した作品もライブラリーの1つ」と語る森下会長ですが、悔いが残る作品もあるそう。
それは2012年にフルCGでアニメ映画化された「アシュラ」です。
「興行的にはコケてしまったけれど、1作で終わりにするんじゃなく、何本か続けていけるようなIPとして扱わなきゃいけなかった。オリジナル作品でも、1作で終えちゃうと何億円って製作費をドブに捨てることになっちゃうから」
たとえ一度失敗しても、「面白くないものにしよう」と思って作る人なんていないのだから、どこかしら面白いはず
その良い部分を活かして、次の展開に繋げていくことが大切だと語ります。

近年大ヒットした「THEFIRSTSLAMDUNK」の成功の裏にも、東映アニメーションの粘り強い挑戦がありました。
「アニメ化は絶対やらない」と言っていた原作の井上雄彦先生に「やる」と言ってもらうために、社内で何本も企画を没にし、パイロットフィルムを見せてようやく許可を得たとのこと。
「今後もいろんなことに挑戦していく会社であってほしい」という森下会長の言葉からは、東映アニメーションがこれからも、作品への情熱とチャレンジ精神を胸に、アニメ業界を牽引していく強い決意が感じられます。

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