エアコン25.6度設定で「共産主義」と批判?ニューヨーク市長の節電呼びかけが物議を醸す理由
猛暑のニューヨークで起きた異例の「エアコン論争」とは?
記録的な猛暑に見舞われているアメリカ・ニューヨークで、ゾーラン・マムダニ市長による「エアコンの設定温度に関する呼びかけ」が、全米を巻き込む大きな議論へと発展しています。発端は、マムダニ市長がSNSを通じて市民に対し、「電力網の負荷を減らすために、エアコンの設定温度を摂氏25.6度(華氏78度)にするよう協力してほしい」と投稿したことでした。しかし、この何気ない節電のお願いに対し、共和党を中心とした保守層からは「個人の私生活への介入だ」として激しい反発の声が上がっています。
「政府が国民の室温を管理するのか?」共和党側が強く反発
今回の呼びかけに対し、リック・スコット上院議員は「これが共産主義のやり方だ」とSNSで痛烈に批判。さらに、リンゼー・グラム上院議員やニッキー・ヘイリー元米国連大使らも「社会主義へようこそ」と皮肉を交えた投稿を行い、政府が個人の自由を制限することへの強い拒否感を示しました。アメリカでは個人のプライバシーや自由を重んじる風潮が非常に強く、過去にも政府が推奨温度を提示した際に「政府による強制だ」との批判を受けて撤回に追い込まれた経緯があります。今回の市長の発言も、単なる節電の願いを超えて、政治的な思想論争へと飛び火してしまった形です。
「家賃凍結」など市長の政策にも注目が集まる
議論の渦中にいるゾーラン・マムダニ市長は、ニューヨーク初のイスラム教徒市長として今年1月に就任したばかりです。市長はエアコンの件以外にも、家賃安定化住宅の「家賃凍結」など、市民の生活を守るための積極的な政策を打ち出しています。しかし、これらの政策に対しては「住宅供給が減るのではないか」「建物の老朽化が進む」といった副作用を懸念する声も少なくありません。11月の中間選挙を控え、民主社会主義的なアプローチをとる市長と、それに強く反発する保守派の対立は、今後もニューヨークだけでなく全米の注目を集めそうです。