「親指を潰され、腹を刺されても」夜回り先生・水谷修が35年間、死線を越えて守り続けたもの
35年間で失われた406の命。夜の世界を這い回る「夜回り先生」の原点とは
夜の11時から朝の4時まで、毎晩のように街を彷徨う子供たちを探して歩く。そんな過酷な日々を35年も続けている男性がいます。「夜回り先生」として知られる水谷修さんです。かつて赴任した学校は「横浜市立暴力団養成所」と揶揄されるほど荒廃しており、廊下をバイクが走り、校内で薬物が売買されるという信じがたい環境でした。水谷さんは、そんな学校からドロップアウトしそうな子供たちを救うため、自ら夜の街へと飛び込みました。時に暴力団との対峙により指を潰され、腹を刺されるという壮絶な経験をしながらも、彼が守り続けてきたのは、これまでに失われた406人というかけがえのない命です。
「昼の世界」の若者たちへ。70歳を迎える今も続く「いのちの授業」
今年70歳を迎える水谷さんは、今も全国各地で「いのちの授業」と題した講演を行っています。これまで実施してきた講演回数はなんと5200回。その活動費の多くは、予算の限られた学校のために水谷さん自身の私費で賄われてきました。資金が枯渇する危機に直面した今年、水谷さんはクラウドファンディングを実施。目標を大きく上回る1176万7000円もの支援が集まり、2027年までに150校での講演が決定しました。彼が伝えたいのは、薬物や孤独という闇に飲み込まれそうな若者たちへのメッセージです。「皆さんは昼の世界の住人だが、自分は35年間、夜の世界を這い回ってきた」と語る彼の言葉には、リアルな現実を知る者だけが持つ、圧倒的な重みがあります。
薬物乱用の影はすぐそばに。私たちが今できること
現在、若者の間では覚せい剤や大麻だけでなく、市販薬の乱用も深刻な問題となっています。水谷さんの活動は、単なる教育活動を超え、子供たちを「夜の闇」から引き戻す最後の砦とも言えるでしょう。今回のクラウドファンディングの成功は、多くの人がこの問題の深刻さを理解し、未来ある子供たちを守りたいと願っていることの証明です。水谷さんの活動や最新の講演情報については、公式サイト(