【必見の名作】クレール・ドゥニ監督『ネネットとボニ』、周縁に生きる兄妹の剥き出しの物語が蘇る
疎遠だった兄妹が再会、言葉を超えた「肌の記憶」で結ばれる特別な物語
冬のマルセイユを舞台に、どこか不安定な青年ボニと、寄宿舎を抜け出した少女ネネットの再会を描いたクレール・ドゥニ監督の傑作『ネネットとボニ』。本作は、ただの家族愛という枠組みを軽々と飛び越え、観る者の心に刺さる特別な温度を放っています。母親の死をきっかけに離ればなれになり、再会しても罵り合い、時には掴み合いの喧嘩をする2人。しかし、妊娠という戸惑いを抱えたネネットがボニの元を訪れる時、そこには言葉にできない「肌の記憶」とも言える強い絆が浮かび上がります。クローズアップで捉えられた肌の質感は、2人が共有してきた傷跡を物語っているかのようです。
コミュニティから弾き出された「アウトサイダー」の孤独と美学
本作の鍵となるのは、社会というコミュニティから少しだけ外れた「周縁」に生きる若者たちの感覚です。姉妹編である『U.S.GoHome』でも描かれた、パーティーの熱狂から取り残されたような孤独感。それは、どこか別の場所(パリ)に憧れながらも、そこへは行かずに留まるという「夢見るアウトサイダー」の姿です。特に、アリス・ウリ演じるネネットの拒絶的な強さは、映画史に残るヒロインの系譜を感じさせます。「コミュニティの一員だからこそ、アウトサイダーだと感じられる」というドゥニ監督の言葉の通り、本作は、居場所がないと感じているすべての若者の心に静かに寄り添う一作となっています。
今、改めて観るべきクレール・ドゥニの傑作を劇場で
観終わった後に、ずっと誰かと共有したくなるような、ひりつくほど繊細な青春の記録。現在、