「飛び出しは左から」は思い込み?右側からの横断者に潜む致命的なリスクとは
ドライバーが陥りやすい「右側からの歩行者」に対する死角の罠
毎日の通勤やドライブで、ふと「歩行者の飛び出しには気をつけよう」と意識することはありますよね。その際、多くのドライバーが「歩道がある左側」を警戒しがちではないでしょうか。しかし、滋賀医科大学の一杉正仁教授が過去10年間の死亡事故データを調査した結果、驚くべき事実が判明しました。なんと、歩行者との死亡事故の約3分の2が、ドライバーから見て「右側」から渡ってきた歩行者との衝突で発生していたのです。
なぜ「右からの飛び出し」で死亡事故が増えてしまうのか
なぜ、すぐ目の前にある左側の歩道よりも、対向車線側の右側からの事故が多いのでしょうか。その理由として挙げられるのは、ドライバーの心理的な先入観です。「反対車線側からは車が来ているのだから、まさか人が飛び出してくるはずがない」という油断や、「歩行者は歩道から出てくるもの」という思い込みが、認知の遅れを招いていると考えられます。実際に、右側から来た歩行者との衝突速度は、左側からの場合よりも高くなる傾向があります。これは、ドライバーが発見した時にはすでに手遅れに近い状態になっていることを意味しています。
車の「構造的な死角」と「認知の甘さ」を再確認しよう
事故を防ぐためには、自身の「認知のバイアス」を理解することが重要です。特に車の構造上、右側にはピラー(柱)などの死角も存在するため、右からの歩行者はより見えにくくなっています。「左だけ見ていれば安心」という考えを捨て、左右両方を等しく警戒する意識を持つだけで、とっさの対応速度は大きく変わります。「対向車線側から人が出てくるかもしれない」というリスク予測を常に持ち、速度を控えて走行することが、自分自身と大切な命を守るための第一歩となるでしょう。