Adoが日産スタジアムで示した「ありのままの自分」――伝説の2日間『Ao』ライブレポート
「沢木アオ」として踏み出した、Adoの新たな物語の始まり
2024年7月5日、日産スタジアムでAdoが開催した2DAYSライブ『Ao』。タイトルに自身の「名前」を冠したこのステージは、これまでの彼女の活動において決定的な転換点となりました。今回、Adoが表現したのは、自伝的小説『ビバリウムAdoと私』で明かされた「沢木アオ」という、ありのままの姿。これまでCGやアニメーションを駆使してきたAdoが、実写の映像や生身のパフォーマンスを通じて「Adoという歌い手」と「アオという人間」を重ね合わせ、観客の前で一歩先へと踏み出しました。
圧巻の演出とオーケストラが彩る、解放のステージ
ライブは、彼女の原点である「クローゼットの中での歌唱」を彷彿とさせるセットからスタートしました。「うっせぇわ」や「逆光」といったヒット曲で会場のボルテージは瞬く間に最高潮へ。さらに、中盤では豪華なオーケストラとのコラボレーションが実現。「私は最強」や「風のゆくえ」など、重厚なサウンドに負けない彼女の力強い歌声がスタジアム全体を包み込みました。また、クライマックスでは「踊」や新曲「モンストロ」、そして「唱」と畳み掛けるようなダンスナンバーで、観客と一体となってスタジアムを熱狂の渦へと巻き込みました。
まふまふとの感動的な共演と、Adoが語った「歌い手」への想い
アンコールでは、まさかのまふまふが登場し、二人のデュエットに会場は悲鳴のような歓声に包まれました。まふまふから「歌い手シーンを引っ張っているのはあなた」と最大級の賛辞を受けたAdoは、自身の「歌い手」としての誇りを改めて語りました。「『あなたは歌い手じゃない』と言われても、救われてきたものに恩返しがしたい」と涙ながらに語った彼女の言葉は、集まったファンの胸を熱く打ちました。「生きていてよかった」と語る彼女の瞳には、かつての自分、そしてこれからの自分に向けた強い決意が宿っていました。
「さよならまだ私は/歌わなくちゃ」未来への号砲
ラストを飾ったのは、Ado自らが作詞作曲を手掛けた「ビバリウム」。楽曲の歌詞と彼女の言葉が重なり合い、日産スタジアムに新たな伝説が刻まれました。最後には盛大な花火が打ち上がり、その音はまるで次のステップへ進むための号砲のように響き渡りました。自分自身を解放し、さらなる高みを目指すAdoの物語は、ここからまた新しい章へと突入していきます。今後の彼女がどのような景色を見せてくれるのか、ますます目が離せません。