松本の秋に響く琵琶の音色 若き奏者・工藤瑞妃さんが紡ぐ「和」の物語
神道祭の舞台で魅了、琵琶の音色と物語に浸るひととき
10月2日、長野県松本市で開催された四柱神社の例祭「神道祭」。歴史情緒あふれる大名町通りに市指定重要有形民俗文化財である18台の舞台が並ぶ中、ひときわ注目を集めたのが伊勢町1丁目の舞台で琵琶の弾き語りを披露した工藤瑞妃さん(30)です。
偶然の出会いからプロの道へ。琵琶の音を松本の日常に
工藤さんが琵琶を始めたきっかけは、5年前に処分される予定だった琵琶を譲り受けたことでした。かつて大学で琵琶に触れた経験はあったものの、本格的な習得を目指して東京の「錦心流琵琶全国一水会」の門を叩きました。現在では地元の銭湯での演奏や、松本を代表する祭事での出演を通じて、その魅力を発信しています。「松本で琵琶が当たり前に聴ける環境を作りたい」と語る彼女の夢は、琵琶の流派の松本支部を設立すること。松本の古き良き街並みに、若き奏者が新しい風を吹き込んでいます。
祭りの喧騒を包み込む、工藤さんの情熱
当日は「川中島の合戦」や「平家の悲劇」など、全6曲を2時間にわたって熱唱。激しくも哀愁漂うその歌声は、観光客や地元市民の足を止め、会場を深い感動で包み込みました。伝統芸能を現代のライフスタイルの中で楽しむという新しい挑戦を続ける工藤さんの活躍から、今後も目が離せません。
工藤さんが活動の拠点の一つとしている