神戸・西宮の市境、実は「未定」!?大正ロマン漂う別荘地が明かす、不思議な境界線の謎
神戸市北区有馬町にある森林地帯。実はここ、西宮市との境界線が正式に決まっていないという、ちょっと不思議な場所なんです。住所も存在せず、国土地理院では「境界未定部」と呼称されています。
大正時代に誕生した「有馬緑川文化村」
その場所は、有馬温泉街から県道宝塚唐櫃線沿いに東へ約2キロ進んだ場所に位置します。かつては大正時代に、京都帝国大学(現京都大学)の教授らが土地を購入し、「有馬緑川文化村」という別荘地として開発されました。
テニスコートやクラブハウスを備えたモダンな別荘は14軒建てられ、京都帝大の総長や学習院院長など、著名な人々が所有していました。設計を手がけたのは、重要文化財「聴竹居」でも知られる建築家、藤井厚二氏。
ひっそりと残る大正ロマン
別荘の管理人だった木田佐代子さん(67歳)は、祖父の残した書類や自身の体験から、当時の様子を語ってくれました。「母がご飯を炊き、別荘に持っていっていた」「1930~40年代ごろは外国人もいた」と、華やかな別荘地の記憶を鮮やかに蘇らせます。
所有者の代替わりを経て、現在は10軒が残るのみ。そのうち、往時のたたずまいを今に伝えるのはわずか2軒です。木田さんは、烏賀陽然良氏が所有していた別荘で貸し古民家を営み、大正ロマンの雰囲気を守り続けています。
なぜ境界線は決まっていないのか?
市境が未定となっている理由は、神戸市側と西宮市側の民地間の境界が確定していないため。両市の担当者は、「民民間の話し合いで線引きされれば、市境が決まる」と説明します。
県道宝塚唐櫃線には、道路を挟んで北側に西宮市、南側に神戸市を示す標識が設置されていますが、その設置経緯は不明。関係部署も「おおよその目安で取り付けたのでは」と推測するにとどまっています。
境界線のない街並み、その魅力
市境が決まっていないという珍しい状況ですが、木田さんは「知らなかった」と驚きながらも、「この辺りは、昔から変わらない風景が魅力」と語ります。歴史と自然が調和した、静かで穏やかな場所。神戸・西宮の市境未定地は、訪れる人に特別な体験を提供してくれるでしょう。
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