『ドランクヌードル』監督ルシオ・カストロ「虚構こそが真実を伝える力を持つ」
5月1日(金)より全国公開となる映画『ドランクヌードル』。アルゼンチン出身でニューヨークを拠点に活躍するルシオ・カストロ監督に、本作の誕生秘話と、フィクションに込めた想いをインタビューしました。
映画はドキュメンタリーから生まれた?
もともと刺繍アーティスト、サル・サランドラさんのドキュメンタリーを構想していたというカストロ監督。しかし、撮影を進めるうちに、自分自身とサル・サランドラさんがカメラの前で自然体でいられず、ドキュメンタリーという形では真実を伝えられないと感じたそうです。
「ドキュメンタリーとして真実を伝えようとすると、どうしても相手に『信じてください』と訴えかける形になってしまいます。でも、フィクションなら、観客は物語に没入することで、より深く真実を受け入れられるかもしれないと考えたんです。」
実体験と虚構が織りなす物語
映画に登場するキャラクターやエピソードは、サル・サランドラさんとの会話からインスピレーションを得ていますが、すべてが監督自身の人生経験から生まれたものだそうです。特に、サル・サランドラさんが自身のゲイであることに対する罪悪感や、教会との複雑な関係について語ったことは、深く心に響いたと言います。
「ゲイであることの罪悪感は、過去に何度も映画の題材として扱われてきました。そこで、私はそのテーマを直接的に描くのではなく、サル・サランドラというキャラクターと彼の作品を、そのまま映画に登場させることにしました。」
サル・サランドラさんの手が映る理由
映画の中でサル・サランドラさんを演じたのは別の俳優ですが、章ごとに挿入されるタイトルロールで映し出される刺繍を縫う男性の手は、実際のサル・サランドラさんの手です。監督のこだわりが感じられる演出ですね。
カストロ監督は、虚構=フィクションの持つ力を信じ、本作『ドランクヌードル』を通して、観客に新しい視点と感動を与えてくれるでしょう。
映画『ドランクヌードル』は、Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国公開中です。詳細はこちら: