「家族だけで抱え込まないで」10代少女監禁事件から考える、障害児支援と社会の空気
押し入れに監禁…なぜ悲劇は起きたのか?
今年1月、東京都内で発生した衝撃的な事件。10代の娘を数日間にわたり自宅の押し入れに監禁し、ケガをさせたとして、両親と兄が逮捕されました。室内には監視カメラが設置され、娘の手足は自作の金具で縛られ、衰弱した状態で発見されました。被害者の少女には知的障害があり、中学校への登校も長期間行われていませんでした。この事件を受け、SNSでは「家族の機能不全をなぜもっと早く止められなかったのか」「なぜ社会から隠されてしまったのか」という疑問の声が広がっています。
「迷惑をかけてすみません」と謝り続ける母親の生きづらさ
障害を持つ兄弟の支援事業を行う株式会社LeanonMe代表の志村駿介氏は、自身の経験を交えてこう語ります。「障害がある子を育てることは、ただでさえ先が見えず情報も少ない中で大きなストレスを抱えます」。志村氏自身、ダウン症の弟を持つ当事者として、母親が外出先で周囲に対して「弟が迷惑をかけてすみません」と常に謝り続けていた姿を今も覚えています。日本では「障害は家族が責任を持って見るべきもの」という空気感が強く、親が孤立しやすい状況にあるのです。
「家族だけ」に頼らない社会へ、私たちができること
日本と海外を比較すると、障害児との向き合い方には大きな違いがあります。志村氏は「海外では障害がある本人に対して、1人の人間として尊重し直接話しかけるのが当たり前。しかし日本では、周囲が必ず家族に話しかけてきます」と指摘します。障害の特性を周囲が正しく理解していれば、過度な謝罪も不要になり、親の負担も軽減されるはずです。今回の事件を「ひどい家庭の問題」と切り捨てるのではなく、家族を孤立させない支援体制と、一人ひとりが障害に対する理解を深める寛容な社会を作っていくことが、悲劇を繰り返さないための第一歩となるでしょう。
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