【謎の生物】クラゲの触手を食べる「クラゲエボシ」の驚きの生態が判明!
海の神秘に、また一つ驚きの事実が明らかになりました。京都大学瀬戸臨海実験所の山守瑠奈助教らの研究グループが、クラゲに寄生する珍しい甲殻類「クラゲエボシ」が、なんと宿主であるクラゲの触手を食べていることを突き止めました。これまで生きた状態での採集が極めて難しく、長年「謎の生物」とされていたクラゲエボシの食事風景が、ついに解明されたのです。
毒針をもろともせず…クラゲエボシの衝撃的な食生活
クラゲエボシは、フジツボやカメノテの仲間であるエボシガイの一種です。体長は数ミリから大きくても3センチ程度と小さく、世界中の海に広く分布していますが、その姿を捉えることは困難でした。山守助教らは、和歌山県串本町沖などで採集した貴重な個体を使い、遺伝子解析や顕微鏡による観察を実施。その結果、彼らが「蔓脚(まんきゃく)」と呼ばれる足を動かし、クラゲの触手を直接むさぼり食べていることが確認されました。過去には死んだクラゲエボシの胃から触手の毒針が見つかることはありましたが、実際に「捕食」していたのかは不明だったため、今回の発見は生物学的な大きな進展といえます。
黒潮の恵みが生んだ「長年の謎」への挑戦
今回の研究成功の裏には、黒潮がぶつかり多様な生物が運ばれてくる紀伊半島という立地と、山守助教の粘り強い調査がありました。研究グループは、打ち上げられたクラゲを徹底的にチェックするなどして個体を確保。さらに調査を進めたところ、クラゲエボシは甲殻類に付着して生きるエボシガイから進化したことも判明しました。このワクワクするような発見に、山守助教は「ずっと気になっていた種をやっと研究できた」と喜びを語っています。この研究成果は、今年5月に国際学術誌にも掲載されました。
次なる目標は「カイエボシ」?深海・海中の神秘はまだまだ続く
今回の発見により、私たちの知らない海の中のドラマが少しだけ明らかになりました。山守助教はすでに、同じく採集が難しいとされる「カイエボシ」の研究にも意欲を見せています。今回取り上げられた