震災で明暗…熊本の地震で見えた「自治体SNS」活用のリアルな課題
有事の際に求められる「即時性」と「正確な情報」
2016年の熊本地震の際、多くの人が頼りにしたのがTwitter(現X)などのSNSでした。しかし、この時、熊本県内の自治体公式アカウントによる情報発信には、大きな「明暗」が分かれるという事態が発生しました。災害時、自治体のSNSは命を救うツールになり得る一方で、運用体制の未熟さが浮き彫りとなるケースも少なくありませんでした。
「くまモン」の沈黙と、市長の迅速な発信
地震発生直後、44万人以上のフォロワーを持つ人気キャラクター「くまモン」の公式アカウントは、災害に関する情報を一切発信せず、普段通りの投稿で更新が止まってしまいました。これに対し、多くのフォロワーからは「どうなっているのか」と困惑や批判の声が上がりました。一方で、熊本市の大西一史市長は、地震発生からわずか20分後には自身のSNSで市民に身の安全を呼びかけるなど、トップ自らがリアルタイムで状況を伝えるという対照的な動きを見せました。
なぜ自治体のSNS発信にバラつきが出たのか
地震直後、県内の自治体で初めて避難所情報を発信したのは合志市でした。多くの公的機関がマニュアル通りに動こうとして動き出しが遅れる中、SNSをいかに「災害時のライフライン」として活用できるかが今後の大きな課題となりました。自治体には、平時からの運用だけでなく、非常時に誰が、どのような情報を発信するかという「危機管理のシミュレーション」が不可欠です。災害大国と言われる日本において、SNSを活用した広報のあり方は、今の私たちにとって無視できない重要なテーマといえるでしょう。
※この記事は過去の震災における事例を基に構成しています。災害時は行政の公式発表や、信頼できるニュースメディア(