Bonberoが語るニューアルバム『HideAway』の裏側。日常を刻み込んだ「生」のグルーヴとは?
1年半ぶりの新作『HideAway』に詰め込まれた「生の空気感」
前作『ForAReason』から約1年半、ラッパー・Bonberoが待望のニューアルバム『HideAway』をリリースしました。前作の内省的なスタイルから一転、今作では友人たちとの日常や、何気ない会話の空気感までもが色濃く反映されています。自宅でのレコーディングをメインに行うことで、遊びの中で生まれた「生」のテイクをそのまま採用。より肩の力が抜けた、Bonberoの「現在地」を体感できる一枚に仕上がっています。
千葉から世界へ。日常の延長線上にあるリリックの秘密
今作の象徴とも言える楽曲「MarinesFreestyle」は、地元のZOZOマリンスタジアムでのライブ直後に書き上げられた一曲です。地元・千葉への思いや、身に覚えのないトラブルに巻き込まれた実体験までを、3時間という短時間で一気に制作したというエピソードには驚かされます。リリックにある「免許の更新も無いのに来ている幕張」という一節は、千葉県民なら思わずニヤリとしてしまう、極めてローカルな視点が光るラインです。
「詰め込みすぎない」ラップへのアプローチの変化
Bonbero自身が「以前より変わった」と語るのが、ラップの間の取り方です。情報を詰め込むスタイルから、余白を生かしたグルーヴ重視の乗り方へと進化を遂げました。この変化により、静かな楽曲でありながら、ライブでは観客のテンションを一気に引き上げるような「アゲ」の要素も両立されています。リスナーの耳にスモーキーかつ心地よく響く、計算し尽くされたフロウの妙をぜひアルバム全体で楽しんでみてください。
サボテンの花が咲く現代社会。インスピレーションの源泉
アルバム冒頭に配置された八千代の民謡のサンプリングや、タイトルの由来となった「CactusFlower」には、乾いた現代社会を砂漠に見立て、その中で咲く自分たちの姿が重ねられています。また、散歩中にインストゥルメンタルを聴きながら「自分だったらどう乗るか」をシミュレーションするという、アーティストとしての探究心も垣間見えました。日常の断片を音楽へと昇華させるBonberoの今後の活動から、ますます目が離せません。