なぜ57頭のサルは「殺処分」されたのか?外来種問題が突きつける残酷な現実
「かわいい」だけでは語れない、外来生物の駆除という選択
2017年、千葉県にある高宕山自然動物園で起きた出来事が、いま改めて議論を呼んでいます。園内で飼育されていたニホンザルの一部、57頭が殺処分されたのです。その理由は、DNA鑑定の結果、外来種である「アカゲザル」との交雑種であることが判明したからでした。なぜ、そこにいたはずの命が奪われなければならなかったのでしょうか。
「日本特有の生物」を守るために、外来種は排除すべきなのか
今回の処分は、日本の在来種を守るための「特定外来生物法」に基づいたものでした。しかし、龍谷大学の清水万由子准教授は、この決定が本当に正しいのか、私たちに問いかけています。日本社会では「外来種は悪、在来種は善」という図式が当たり前のように受け入れられていますが、「そもそも日本特有の生物とは何か」「何をもって有害とするのか」といった根本的な議論は、十分に尽くされているとは言えません。
次々と増える外来種問題。私たちはどう向き合うべきか
伊豆大島のキョン対策をはじめ、全国の自治体では外来生物の駆除に多額の予算が投じられています。税金を使って行われるこれらの取り組みは、人間と自然の関わり方そのものを変えてしまう可能性があります。「保護」と「排除」という二極化された選択肢の中で、私たちは何を大切にすべきなのでしょうか。この問題は、単なる動物保護の枠を超え、私たちが自然に対してどのような倫理観を持つべきかを問う、避けては通れないテーマとなっています。
詳細な議論については、龍谷大学の清水万由子准教授による考察記事(