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箱根駅伝に「世界に1台のセンチュリー」登場!開発秘話と水素の意義を徹底解説

投稿日:2026年01月20日

正月の国民的行事である箱根駅伝。この伝統ある舞台を裏方として支えてきたトヨタが、2026年の第102回大会に向けて大きな決断を下しました。それは、大会で使用される運営車両や伴走車など計40台を、すべて電動化車両(BEV、FCEV、HEV)にするというものです。

注目は水素で走る「センチュリー」

その中でもひと際異彩を放つのが、大会本部車として導入される「センチュリー(FCEV)」です。ベースとなっているのは、豊田章男会長の愛車としても知られるSUVタイプのセンチュリー。威風堂々としたボディの下には、水素で発電して走るFCEV(燃料電池自動車)システムが隠されています。

開発の裏側:エンジニアたちの苦闘

しかし、この「エンジンのないセンチュリー」を走らせるまでの道のりは、エンジニアたちにとって苦難の連続だったといいます。開発を担ったのは、トヨタグループで特装車などを手掛けるトヨタカスタマイジング&ディベロップメント(TCD)です。

彼らに課されたミッションは、元々エンジンとモーターで走るPHEV(プラグインハイブリッド)として設計されたセンチュリーのボンネットに、水素車「ミライ」のシステムを丸ごと収めることでした。TCDの佐藤聖哲氏は、開発当時の苦境をこう振り返ります。

「我々は普段こういったものの設計はしていません。トヨタ自動車さんの力添えを得て、なんとかここまで形になりました」(佐藤氏)

最大の壁は「スペース」

最大の壁はやはり「スペース」でした。エンジン車として最適化された空間に、形状の異なる燃料電池ユニット(FCスタック)を押し込まなければならないからです。FCシステムとエンジンのサイズはほぼ同等ですが、エンジン用に設計されたスペースに綺麗に配置するには、配管、配線はやり直さないといけなく、取り付け、搭載順番も全く異なるのが難しさの部分だと言います。

「センチュリーは元々PHEVで、エンジンで動いているクルマ。ここにFCユニットを載せるというのは、スペース的な問題などが結構大変でした」(佐藤氏)

スペースを捻出するために、コンポーネントの配置を立体的に再構築するという離れ業をやってのけたのです。その結果、ボンネットの中身はぎっしりと詰まった状態に。佐藤氏は複雑に入り組んだ内部を指さし、苦笑いしながらこう語ります。

「見ての通り、配管などが結構こう『縫うような形』でついています。この辺のスペースを検討するのは非常に辛くてですね……大変でした」(佐藤氏)

なぜセンチュリーなのか?水素の意義

これほどの苦労をしてまで、なぜセンチュリーを水素で走らせる必要があるのでしょうか。トヨタのMS統括部の多和田貴徳氏は、その狙いを次のように語ります。

水素社会に向けて、水素の可能性を示していきたい。その可能性を広げていく上でも、センチュリーという、いわゆる『ショーファーカー』に水素を入れていくというのは、非常に意義深いものがあるのかなと思います」

静粛性が求められる高級ショーファーカーと、振動や騒音がなく水しか出さないFCEVの組み合わせは、理にかなった究極の形とも言えます。トヨタは、この挑戦を通じて、環境に配慮したモータースポーツの未来を切り開こうとしています。

箱根駅伝での「センチュリーFCEV」の活躍に、今後も注目が集まります。

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