台湾vs中国?ドラマ「ゼロデイ攻撃」が描くリアルと複雑な国際関係を徹底解説!
衝撃!中国駐日大使のX投稿と話題の台湾ドラマ「零日攻撃」
今、X(旧Twitter)上で中国駐日大使の投稿が話題になっています。その内容は、なんと「日本では台湾同胞を含む観光客襲撃事件が相次いで発生」というもの。さらに、中国と台湾は「両岸一家親」(両岸は一つの家族)というスローガンまで飛び出しました。
この発言の裏には、台湾で大注目のドラマ「零日攻撃(ZERODAYATTACK)」の存在があります。このドラマ、台湾では8月2日から地上波や配信サービスでスタートし、日本では8月15日からアマゾンプライムビデオで配信中なんです!
しかも、驚くべきことに、高橋一生さんや水川あさみさんといった日本の人気俳優も出演しているとあって、日本でも大きな関心を集めています。
「攻撃はすでに始まっている」!?台湾社会を揺るがすドラマの内容
「零日攻撃」は、台湾と中国の戦争をテーマにした衝撃的なストーリーが展開されます。総統選で勝利した女性政治家が中国の工作に直面したり、政府に不満を抱いた台湾青年が中国指導下のスパイ組織に加わったり、メディア関係者が諜報戦に巻き込まれたり…と、各話ごとに主人公が変わる群像劇。
しかし、全編を通して一貫しているのは「攻撃はすでに始まっている」という強烈なメッセージです。このメッセージは、台湾が抱える社会不安、つまり中国からの政治的なプレッシャーやサイバー攻撃などをリアルに描いているんです。
ちなみに「ゼロデイ攻撃」とは、IT用語でシステムの脆弱性が発見されても対策が間に合わないうちに行われるサイバー攻撃を指します。まさに、今の台湾が直面している状況を比喩していると言えるでしょう。
賛否両論!台湾ドラマを巡る複雑な政治的背景
このドラマ、台湾国内での評価は、支持政党や政治的立場によって大きく分かれています。
独立志向の与党・民進党を支持する人々からは、「ドラマで描かれているのは起こりうる未来だから、いざという時に備えるべきだ」と肯定的な意見が多数。
一方、中国との関係を刺激すべきではないと考える国民党などの野党支持者からは、「戦争を煽るのはいかがなものか」「与党の予算で作られたドラマで、不安を煽って軍事費を増やす狙いだ」といった否定的な意見も少なくありません。一つのドラマが、これほどまでに社会の分断を浮き彫りにするとは、驚きですよね。
「台湾同胞証」で中国へ?意外な“優遇”の実態
そんな政治的な緊張が続く中、「台湾同胞」として中国を旅することができるという、意外な実態があります。
筆者である台湾在住ライターの広橋賢蔵さんは、昨年台湾に帰化後、通称「台湾同胞証」という特殊な通行証を取得し、この夏に中国を旅したそうです。中国政府は台湾を自国領とみなしているため、台湾人は申請すれば「同胞(自国民)」として中国へ出入りできるんです。なんと、パスポートは不要!これは、中国政府が「中華民国」と書かれたパスポートを受け付けないため、代わりに台湾人向けの特別な身分証を発行しているからなんです。
ビジネスチャンスから国際関係まで!「台湾同胞証」が持つ意味
実はこの「台湾同胞証」、過去には台湾人にとって大きなビジネスチャンスを生み出しました。
1990年代以降、この証を持って中国大陸に渡り、市場開放された広州や深セン、上海などで工場を設立し、成功を収めた台湾ビジネスマンが続出。天安門事件で外国からの投資が激減していた中国側も、商売上手な台湾商人を受け入れることで経済を活性化させるという狙いがあったのです。
政治的には対立しながらも、経済や人の往来では密接な関係を持つ中国と台湾。この「台湾同胞証」は、そんな複雑な国際関係の一端を象徴していると言えるでしょう。ドラマのテーマである「攻撃はすでに始まっている」というメッセージと、現実の「同胞」としての往来。この二つの事実は、私たちに何を語りかけているのでしょうか。
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