ポルシェの“デザインの舞台裏”に日本人がいた!第一線で活躍するカーデザイナー山下周一さんが語る「ポルシェらしさ」の源泉とは?
世界中の自動車ファンを魅了するポルシェ。その洗練されたデザインは、単なる見た目の美しさだけでなく、機能性と哲学に基づいた特別なもの。そんなポルシェの車両デザイン部門“スタイル・ポルシェ”で、長年にわたり第一線で活躍する日本人デザイナーがいることを知っていますか?
ポルシェのデザイン哲学:「形態は機能に従う」
ポルシェの創業者、F.A.ポルシェは「何かの機能を想像すれば、形状はおのずと浮かび上がってくる」という言葉を残しました。これは、ポルシェのデザインが、機能主義を徹底し、“形態は機能に従う”を体現していることを意味します。決してデザインを二の次にするのではなく、車種やグレード、機能に寄り添ったデザインを追求する姿勢こそが、ポルシェのアイデンティティなのです。
カーデザイナーへの道が開けた瞬間
東京都出身の山下周一さん(62歳)。山下さんがカーデザイナーの道に進むきっかけは、高校卒業後に進学したデザイン学校での学びでした。当初は玩具デザイナーを目指していましたが、ある雑誌で自動車の製作工程を知り、カーデザイナーという仕事に衝撃を受けたのです。
「当時は、カーデザイナーという仕事があるということさえも知らなかったんです。デザイン画や1/1のテープドローイング、そしてクレイモデルなどが掲載されていました。それらにはデザイナーの手が入っていることを知り、とても衝撃を受けたんです」
海外での出会いが人生を大きく変えた
日本での就職後、海外研修でドイツへ渡った山下さん。そこで、海外で活躍する日本人カーデザイナー畑山一郎さんと出会います。畑山さんからのアドバイスをきっかけに、20代半ばでアメリカへ留学を決意します。
「日本から遠く離れたドイツで、日本人がデザイナーとして活躍していることに心の底から衝撃を受けました。そして、畑山さんのアドバイスなどもあり、アメリカのカリフォルニア州パサデナに拠点を置く、私立美術大学アート・センター・カレッジ・オブ・デザインに入学したのです。」
メルセデス・ベンツを経てポルシェへ
アート・センター・カレッジ・オブ・デザインを卒業後、山下さんはメルセデス・ベンツにデザイナーとして就職。日本スタジオで活躍しますが、ポルシェでの活躍へと繋がっていきます。
「ちょうど、メルセデス・ベンツが日本にスタジオを設けるタイミングで、僕は日本スタジオでの職を得ました。実は日本の会社も受けたのですが、すでに30歳を超えていましたから、お断りされてしまったのです(苦笑)」
山下さんのポルシェでの活躍は、今後のポルシェのデザインに更なる進化をもたらすことでしょう。ポルシェのデザインの裏側で、日本人デザイナーがどのように貢献しているのか、今後の活躍にも注目です。