「紀州のドン・ファン」元妻、2審も無罪判決!状況証拠だけでは“疑わしきは罰せず”
和歌山県田辺市の資産家、野﨑幸助さん(当時77歳)の死亡事件で、元妻の須藤早貴被告(30)に対する2審判決が23日、大阪高等裁判所で言い渡されました。結果は、1審同様の無罪。奔放な女性遍歴から「紀州のドン・ファン」と呼ばれた野﨑さんの死から8年、状況証拠のみで逮捕された須藤被告ですが、裁判所は“疑わしきは罰せず”の原則を適用し、無罪を維持しました。
事件の概要:ドン・ファンの急死と元妻の逮捕
野﨑さんは2018年5月に突然死亡。死因は覚醒剤の過剰摂取による急性中毒でした。事件から3年後、警察は須藤被告を逮捕。直接的な証拠はなかったものの、須藤被告が覚醒剤の密売人と接触していたことなどから、殺害の疑いがあると判断したのです。
1審判決:状況証拠と野﨑さんの行動
1審では、須藤被告は全面的に無罪を主張し、密売人との接触は「野﨑さんから覚醒剤の購入を頼まれたため」と証言しました。野﨑さんは須藤被告に「性的な満足を得られず」不満を抱いており、「お金くれたらいいよ」という冗談に対し、20万円を渡したことも明らかに。
裁判所は須藤被告の説明を信用できないとしながらも、密売人が渡したものが本物の覚醒剤ではなく氷砂糖だった可能性を認定。さらに、野﨑さんが死亡前に知人女性に「覚醒剤やってるで」と電話していた事実などを考慮し、野﨑さん自身が覚醒剤を入手・使用し、誤って過剰摂取した可能性を否定できないと判断しました。
2審判決:致死量の摂取は容易ではない
検察側が控訴し2審に移行しましたが、大阪高裁は1審判決を支持。判決理由として、「野﨑さんに不審感や違和感を持たされることなく致死量を超える覚醒剤を摂取させることは不可能ではないものの容易ではない」と指摘しました。また、「野﨑さんが覚醒剤を入手することがまったく考え難い状況でもなかった」と、野﨑さん自身の覚醒剤使用の可能性を改めて示唆しました。
今回の判決は、状況証拠だけでは有罪を立証できないという、刑事裁判における重要な原則を改めて示したものと言えるでしょう。須藤被告は無罪を勝ち取ったものの、野﨑さんの死の真相は依然として謎に包まれたままです。