死刑判決に「バンザイ!」叫んだ女性の真実…没後100年で映画化された金子文子の生涯
1903年生まれの活動家、金子文子。無政府主義・虚無主義を唱え、日本の帝国主義に抵抗した彼女の生涯を映画化した『金子文子何が私をこうさせたか』が、2026年2月28日に公開されます。没後100年を迎える今年、なぜ今、彼女の物語がスクリーンに映し出されるのでしょうか?
過酷な幼少期と思想への目覚め
金子文子は、無戸籍者として生まれ、9歳の時に植民地だった朝鮮に独り送られます。そこで受けた凄絶な虐待は、彼女の人生に深い傷跡を残しました。16歳で日本に戻り、苦学しながら政治思想や哲学を探求。虚無主義に辿り着き、朝鮮人の朴烈と「不逞社」を結成し、日本の帝国主義を批判する活動を開始します。
でっち上げの罪と死刑判決
しかし、関東大震災の際に身柄を拘束され、皇太子に爆弾を投げようとしたというでっち上げの罪を着せられてしまいます。大逆罪で死刑判決を受けた金子文子は、その判決に「バンザイ!」と叫びました。その姿は、国家に屈することなく、自身の思想を貫き通した反骨精神の象徴として語り継がれています。
映画『金子文子何が私をこうさせたか』
浜野佐知監督が贈る本作は、逮捕後の121日間、金子文子が何を考え、どのように生きたのかを緻密に描いた作品です。監督は、文子を演じた菜葉菜さんの演技について、「菜葉菜さんの中から文子が立ち上がってくるようだった」と絶賛。菜葉菜さんも、「文子として腹から言葉が出てくる。自分でも不思議でした」と語っています。
監督と菜葉菜さんの熱い想い
浜野監督は、映画の完成から10ヶ月が経過した現在、「公開まで時間が足りないくらい」と語り、文子の没後100年というタイミングで公開できることを喜んでいます。菜葉菜さんは、「金子文子のことをまったく知らなかったから、同じように知らない人たちに観てほしい。どう感じてもらえるのか興味があります」と、観客への期待を寄せています。
本作は、社会の不条理に抗い、自身の信念を貫き通した一人の女性の波乱万丈な生涯を描き出します。金子文子の存在を改めて知るきっかけとなる、衝撃的な作品となることでしょう。